集英社のゲームがネットの波に乗り異例のヒット 目を引くビジュアルがバズを呼ぶが、極端な物言いも…

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あくまで筆者の私見になるが、現在のインターネットはエンゲージメントの世界であると考えている。SNSにおいてはいいね・コメント・シェア・閲覧数・投稿内のリンククリックなどユーザーの反応が重要である、ということだ。

たとえばX(旧Twitter)では企業アカウントがたくさん存在しており、おもしろいことを言ってユーザーに親しみを持ってもらおうとするし、Instagramは飲食店が各自をあらゆる手法でアピールする場になっている。YouTubeの動画では、コメントやチャンネル登録を促進するのが当たり前である。

悪くいえば、エンゲージメントを稼がねばならない人や企業がいる場所へ、ユーザーはわざわざ広告を見に行くことすらあるわけだ。

都市伝説解体センター
キャラクターデザインも優れている。主人公の福来あざみ(左)、先輩にあたるジャスミン(右)も人気があるようだ(画像:Steamより)

あるいはゴシップや何かをこきおろすコンテンツも注目を集めるし、それでエンゲージメントを稼いでお金にするコンテンツも存在する。いずれにせよ共通するのはやはりエンゲージメントで、これが重要なのは間違いないだろう。

こういった部分は旧来のメディアも同様だが、インターネットは何が違うのかといえば一般ユーザーもそれを受け入れるところにある。おもしろいことに人間とは場にのまれやすいもので、そういった環境にいると自然とそれを当たり前として、バズるような投稿をしたがるようになる。

目を引くビジュアルがバズを呼び、極端な物言いが人心をつかみ、不確かなものを断言してしまうのがウケ、内容は精査されない。それが荒れやすい環境を作り、またエンゲージメント(ユーザーの反応)を生むという循環がいまのインターネットではないか。

いくらXに問題があると語られても、Blueskyやmixi2に移る人はそう多くない。結局、われわれはエンゲージメントの奴隷なのかもしれない。

極端に触れて揺り戻すインターネットらしさ

都市伝説解体センター
都市伝説解体センターのセンター長である廻屋渉(めぐりやあゆむ)。千里眼を持っていると自称している(画像:Steamより)
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