党内でじわり広がる「石破降ろし」が自民党の"自殺行為"にほかならない理由

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また、たとえ「党の顔」をすげ替えたとしても、今夏の参議院選挙で自民党が躍進する可能性はさほど大きくなさそうだ。従来の自民党支持層の一部は同党を離れ、国民民主党などに移ってしまったとみられるからだ。

これを映す形で国民民主党の政党支持率は上昇しており、朝日新聞や毎日新聞、共同通信などの調査では、昨年12月から野党の中でトップの支持率を維持している。NHKでも、3月の調査で国民民主党の支持率は8.4%と前月から1.6ポイント上昇し、立憲民主党(7.5%)を抜いて野党のトップに躍り出た。

石破氏を引きずり下ろせない自民党の弱さ

躍進の理由は、国民民主党が訴える政策が「103万円の壁の打破」や「ガソリン暫定税率の廃止」といった生活に直結したもので、有権者が理解しやすいからだ。加えて、旧民社系の流れをくむ国民民主党は、原発問題や安全保障などの政策では現実主義の中道右派の路線を取っており、自民党の受け皿に十分になりうる。

そうした危機に反応するように、麻生太郎元首相、岸田前首相、茂木敏充元幹事長が3月10日夜に都内の日本料理店に集まった。

衆議院では少数与党で、党内基盤も強固ではない石破政権。だが、簡単に引きずり下ろすことができないのは、自民党にかつてのような強さがなくなってしまったためだろう。にもかかわらず、ただ「石破降ろし」に興じるなら、それは自民党の崩壊を早めることにほかならないのではないか。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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