「自分のやり方に固執する人」をどう説得するか? 変化が苦手な人には「3つのバイアス」がある

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サンクコスト効果は多くの人が持っているバイアスです。なので、自分も、相手もサンクコスト効果を持っているという前提でいたほうがいいと思います。

「サンクコスト効果が働いている」と思ったときは、視点を変えることがポイントです。

サンクコスト効果は、いってみれば過去から現在までに視点をあてたバイアスです。でも変化は未来にあります。

この先1年後、3年後、10年後を考えたときに、目の前にあるバイアスがどう未来に影響を与えるか、を考えてみるとバイアスの影響を逃れられる可能性があります。

たとえば、このままの状態でいったら3年後にはどうなっているか? そのイメージを明確にしていきます。変化が苦手な人には、未来に視点をあてて伝えていくのです。

過去から現在を見るのではなく、未来から逆算して現在を見るのです。それが変化をしていく第一歩です。

現状維持バイアスも、サンクコスト効果もそこから逃れるには、視点を未来に向けることです。未来から見て「いまはこのままでいいのか」を考えることなのです。

(出所:『結局、どうしたら伝わるのか? 脳科学が導き出した本当に伝わるコツ』より)

「高確率と思える」ほうを選択したくなる

変化を阻害するバイアスの3つめは確実性効果の強さです。このバイアスにはこんな特徴があります。

くじを引いて当選したら5万円がもらえるとします。そのとき、当選確率が変化するとしたら、どれが一番うれしいですか?

1 90%から100%に上がったとき
2 40%から50%に上がったとき
3 1%から11%に上がったとき

多くの人は1と答えます。あたりまえといえばあたりまえなんですが、確実にもらえるほうがうれしいわけです。

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西 剛志 脳科学者(工学博士)、分子生物学者

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にし たけゆき / Takeyuki Nishi

脳科学者(工学博士)、分子生物学者

1975年生まれ。東京工業大学大学院生命情報専攻卒。博士号を取得後、特許庁を経て、2008年にうまくいく人とそうでない人の違いを研究する会社を設立。世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウや、才能を引き出す方法を提供するサービスを展開し、これまで3万人以上に講演会を提供。著作は20万部のベストセラー『80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(アスコム)をはじめ、『1万人の才能を引き出してきた脳科学者が教えるやりたいことの見つけ方』(PHP研究所)、『脳科学的に正しい! 子どもの非認知能力を育てる17の習慣』(あさ出版)など、海外を含めて累計発行部数 40万部を突破。

【脳科学者 西剛志公式サイト】
https://nishi-takeyuki.com

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