フジテレビ、売上高でついに4位に転落するか 三冠王を争ってきた日テレに突き放されたワケ

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
フジテレビ
フジテレビが転落したのは、何の戦略も練ろうとしなかった経営陣の責任ではないか(写真:yu_photo/PIXTA)

キー局の2024年度第3四半期決算(2024年4〜12月)が2月7日に出揃った。筆者は定期的にキー局の決算をもとに放送業界の概況をレポートしてきたが、今回は何と言ってもフジテレビ問題が進行中なので、その影響を考察したい。

フジテレビは放送収入が予想より約233億円減少か

各局の放送収入はコロナ禍で乱高下した末に下落の一途をたどっていた。巣ごもりを強いられた人びとが当初はテレビ放送を視聴したものの、テレビをネットに接続してYouTubeやNetflixを視聴しはじめた。視聴率がみるみる下がり、放送収入もそれに応じて下落していった。

2024年度は、その下落に一服感がある。第3四半期までの放送収入は前年比で各局とも微増し、売上高もわずかずつ前年より上がっていた。フジテレビも放送収入が2.3%、売上高も1.1%上がっている。

ところが今回の問題を受けて、フジテレビは放送収入が予想より約233億円も減少するとの見込みを発表した。あまりの巨額さに驚くしかない。

この数字が、キー局の売上高ランキングにどう影響するかをシミュレーションしてみたい。以前の記事(「フジテレビ問題」の根源は"経営不在"にある)でも示した通り、フジテレビの売上高は2014年度からの10年間で約23%下がり、1位から転落してかろうじて2位につけていた。それがどうなるか。

各キー局は持ち株会社体制をとっており、決算ではグループ全体の連結業績とテレビ局単体の業績とを発表する。第3四半期の決算資料で、TBSテレビは連結業績予想とともに単体売上高予測も出しており、前年比2.7%増だ。日本テレビとテレビ朝日は連結業績予想は出しているがテレビ局単体の予想は出していない。

そこで、第3四半期までの売上高の伸び率を前年度の通期の売上高に掛けて数字を出してみた。日本テレビは2.2%増、テレビ朝日は4.2%増だ。

次ページフジテレビの売上高は4位に転落
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事