サントリー、世界を狙う新浪社長の"不満" 電撃的なトップ交代から1年が経過

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社長就任後、初めてとなった今年2月の決算会見。どんな質問にもよどみなく答えた(撮影:風間仁一郎)

電撃的なトップ交代から1年。ローソンからサントリーホールディングス(HD)社長に転身した新浪剛史氏(56)に、最近、サントリー社内からは「彼は改革のスピードに満足していない」という声が聞こえてくる。

2014年5月、サントリーHDは、米蒸留酒大手のビーム社を、1.6兆円で買収する大勝負に打って出た。佐治信忠社長(当時、現会長)が「世界戦略を推し進めてもらう」と言って招いたのが新浪氏だ。かつてローソンで経営を共にした元役員が、「ついていけない人はいた。新しいことを次々言い出して、それをたった1年でやれと言ったりしていた」と話す人物だけに、新天地でもスピード重視の姿勢は変わらない。

グローバル事業推進本部の狙い

実際、今年9月に新設された「グローバル事業推進本部」は、改革のペースを上げる狙いもあるとみられる。担当者は肥塚眞一郎氏(59)で、新浪氏からの信頼が厚い経営幹部の一人だ。

肥塚氏は今年3月まで、清涼飲料事業会社・サントリー食品インターナショナルの専務で、経営企画や財務などの責任者を務めていた。その力量を買われ、3月からサントリーHDの専務取締役として経営メンバーに入り、新浪氏が担当していた経営企画本部と財経本部を引き継いだ。また、ビームサントリー(旧ビーム社)の担当も任されており、グローバル化の要所を取り仕切る肥塚氏は、まさに番頭といえる存在だ。

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