中国「時速400km」高速列車は本当に走れるのか 車両の性能は高くても運行できる路線がない?

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2023年6月には試験車両が福建省の福厦高速鉄道での試験走行で時速453kmを達成、対向走行時の相対速度(すれ違いの際の速度の合計)は時速891kmを記録した。リニアモーターカーではない従来式の鉄道の最高速度である、フランスのTGVが2007年に記録した時速574.8kmには及ばないものの、JR東海の新幹線高速試験車300Xが1996年に達成した日本最高記録の時速443kmを10km上回っている。

そして2024年12月29日に2種類の試作車両、CR450AFとCR450BFが公開された。前者は青島CRRC四方車両、後者はCRRC長春鉄道車両が設計・製造した。

CR450BF
CR450は8両編成。写真はCR450BF(写真:CRRC)

CR450は試験走行時の最高時速が450kmで、営業最高時速は400km。CRRCによると2種類とも8両編成で、うち4両がモーター搭載車両、ほか4両がモーターなしの構成だ。モーターは永久磁石電動機を採用。重量は既存のCR400に比べると10%軽量化され、走行抵抗は22%減少した。車体や走行機器類、パンタグラフなど4000カ所以上をリアルタイム監視する仕組みを備えるといい、安全性の高さを強調している。

既存の路線は最高時速350kmまで

また、中国メディアから読み取れる技術的特徴として、高度な列車制御システム、回生ブレーキ技術の強化が行われているとされる。これらの技術により、エネルギー効率と速度性能が向上しているという。2025年中には実際に営業路線への投入が予定されている。

CR450について、中国のネット上では技術力を賞賛する声を中心にさまざまな反応が見られる。ただ、安全性や経済性を懸念するコメントも多いようだ。

例えば、「速さはすごいが、営業運転時の安全性は大丈夫なのか? 特に地震や悪天候時の対策が気になる」「試験走行は成功しても、実際の乗客を乗せての長期運用が課題。信頼性の証明が必要」といった冷静な声だ。

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