旧安倍派会計責任者の「参考人招致」攻防の裏側 51年ぶり異例の議決決着の背景に"公明離反"も

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そもそも、民間人などの「国会招致」の議決は全会一致が長年の慣例で、衆院予算委が招致を賛成多数で決めたのは1974年以来51年ぶり。この「慣例破り」については安住委員長もぎりぎりまで、形式的な「全会一致」となるよう水面下での根回しを展開。その中で、公明党は一時「議決時には賛成」の意向も示したが、最終的には議決時に退席するなど迷走し、それが混乱を加速させる要因ともなった。

今回の混乱の経緯を振り返ると、松本氏について、昨年の東京地裁判決が「派閥幹部の指示に従わざるを得ない立場だった」と認定したことを踏まえ、野党側は、真相究明には国会で証言させる必要があるとの認識で一致。その結果、招致議決を予算案審議入りの条件として、与党を追い詰めてきた。

これに対し、自民は「慣例」を楯に反対の姿勢を変えなかったため、1月29日の予算委理事懇談会で安住氏が採決を提案。最終的に自民も受け入れたのが実状だ。その中で、公明は今夏の東京都議選や参院選での集票活動への悪影響を懸念し、一旦は「採決されれば賛成に回る方針」(幹部)を固めていたが、最終的には自民に配慮して「退席」を選択したとみられる。

これを受け斉藤鉄夫公明代表は議決後の党中央幹事会で「いくら全容解明のためとはいえ、多数決で決めることには反対。全会一致が長い歴史の中で築き上げてきた原則だ」と退席の理由を説明した。

松本氏の「証人喚問」で攻防激化も

30日の議決を受け、衆院予算委は引き続き予算案の趣旨説明が行われ、翌31日午前から基本的質疑をスタートさせた。同質疑は週明けの2月4日までの3日間が予定され、その後は一般質疑が始まる。そうした状況を踏まえ、石破首相は2月7日に訪米してトランプ大統領との首脳会談に臨む方針で、野党側もその日程には配慮するとみられている。

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