東京女子医大、"女帝"が残した「負の遺産」の実態 「女カルロス・ゴーン」が引き起こした機能不全

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東京女子医大病院の外観
東京・新宿区にある付属病院の本院(写真:岩澤倫彦事務所)
コロナ禍を経て、巨額赤字を抱えた病院の姿が露呈しつつある。『週刊東洋経済』2月8日号の第1特集は「病院 大淘汰」だ。閉院が相次ぐ都市部や地方の実態に加えて、改革が成功し高成長を遂げた病院の実例など、医療の現場の今に迫る。
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「女帝」といわれた、東京女子医科大学の岩本絹子・元理事長(2024年8月に理事長解任)は、1月13日に背任容疑で警視庁に逮捕された。新校舎建設に際し、業務実態がないにもかかわらず1級建築士に高額な報酬を支払い、大学に損害を与えた疑いだ。不正な報酬の中から、資金の還流を受けていたとみられる。

岩本元理事長が在任した5年余りで、女子医大の診療・研究体制は壊滅的な打撃を受け、優秀な医師や看護師が次々と去っていった。はたしてその再生は可能だろうか。

2014年、女子医大で鎮静薬プロポフォールを過剰投与された2歳男児の死亡事故が発生する。これを機に患者数が激減、厚生労働省から特定機能病院の指定を取り消された影響で、女子医大は経営危機に陥った。

コストカットで黒字化

経営立て直し役として、岩本元理事長は女子医大の副理事長に就任する。岩本元理事長は、1981年に同級生と都内で産婦人科クリニックを開業。いわゆる町医者だったが、女子医大の同窓会組織で影響力を持つようになっていた。

「岩本先生には女子医大のような1000床規模の病院を経営した経験がない。しかし創業家一族なので誰も反対できず、本人の強い希望で副理事長に就いた」(女子医大・元経営幹部)

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