会社擁護で炎上「フジ男性アナ」に私が同情する訳 注意不足だが、彼も今回の騒動に巻き込まれた側だ

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「もどかしいのが一番。13年働いてきて、一度も辞めたいと思ったことがない大好きな会社だ」と語り始め、涙を浮かべながら「大好きな仲間が苦しんでいる姿を見てきた。好きな会社を良くするためにも、調査や説明を今後しっかりとしてほしい」との思いを語った。

酒主 義久アナウンサー プロフィール
「一度もやめたいと思ったことがない大好きな会社」と語った酒主アナ。率直な気持ちだったはずだが、ネット上では批判の声が噴出した(フジテレビ公式サイトより)

これら番組内の発言は、ネットニュースとして即座に拡散した。しかし、酒主アナの発言には、批判が相次ぎ、Xでは「フジ37歳男性アナ」がトレンド入りした。

批判の多くは、感情的な「涙」を見せたことに対してで、「お涙頂戴で同情してもらおうとしているのか」といった論調が見られる。

また、「大好きな会社」と表現したことで、今回の事案についても、会社擁護の姿勢ととらえるネットユーザーが多いようだ。加えて、酒主アナが男性であることから、「“献上”されない立場から言われても」といった批判も出ている。

SNS上には「切り抜き動画」が流れ、あらゆる側面から酒主アナへのバッシングが相次いでいる。

しかし、個人的には「たたかれすぎ」なのではないかとも感じる。

たしかに涙を流したことで、情報を伝える立場として「プロ失格だ」と判断されている点は同意する。また「好き・嫌い」の感情に持ち込むことで、問題を直視していないような印象を残したことも残念だった。

一連の事案は、組織による問題である

同僚への気遣いと、自社への叱咤。その「もどかしさ」からのコメントは、一見バランスを取っているように見えるが、視聴者は「当事者であるアナウンサー側の生の声」を求めている。

たとえ企業側に寄った内容が思い浮かんだとしても、発することで反発を招くと予想すべきだった。その点においても、注意不足だったと言えるだろう。

それでも酒主アナを擁護したくなる理由は、一連の事案は、組織による問題であり、社員一人ひとりが責を負うべき内容ではないからだ。

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