10億回再生「エガちゃんねる」D語る"下品の流儀" 「コアなファン」にだけ刺さっても続かない
「エガちゃんねる」を始める以前、インターネット番組「がんばれ!エガちゃんピン」(BeeTV)という番組を江頭さんと作っていました。江頭さんにしかできない「新記録」を目指して過酷で下品なロケを敢行する、というコンセプトの番組で、僕も若くて尖っていたこともあり「お笑いこそ正義だ!」という信念(若気の至り)のもと制作していました。
そんな「江頭純度100%」の番組は、江頭さんや僕らも作っていて楽しく、コアファンからは絶賛してもらえていました。しかし、結果的に番組は終わってしまいます。過激で下品なだけでは、マス層には観てもらえず、広く認知はされませんでした。すごい狭い世界で盛り上がっているだけだったんです。
「番組が終わる」というのは、今まで毎週ロケをしていたメンバーと会う機会がなくなり、毎週会議をしていたメンバーとも会う機会がなくなる。そのメンバーの収入もその分なくなる。そして、その番組を楽しみにしていてくれた視聴者も、その番組を観ることができなくなる。
「番組が終わる」というのはとても残酷で悲しく、厳しい現実です。なので、「エガちゃんねる」を始める時の大きな指針として、「終わらない番組を作ろう」というのが僕の中にありました。
「エガちゃんねる」の多くの動画でハートフルと下品な中身を同居させていること、「羊の皮を被った下品」でいるのはこの理由からです。
「コア層にだけ刺さるコンテンツ」として同様の失敗は「エガちゃんねる」でもあります。江頭さんとブリーフ団による「【コント】江頭家の人々」です。「江頭さんのコント」という新しい一面を開拓するべく企画した「江頭家の人々」。その内容について僕らは手応えがあり、「人気シリーズになるかも」とまで考えていました。
「やりたいこと」と「売れること」のバランス
実際に動画を公開してみると、コアなファンにはしっかり刺さっていて、コメント欄もとても好意的な内容ばかり。でも、コメント欄の熱とは裏腹に再生数は全然伸びませんでした。
多くの視聴者が江頭さんに求めているのはリアルであって、コントをする江頭さんではなかったのかもしれません。コメント欄では続編を望む声がたくさんありましたが、「あ、このままでは『エガちゃんピン』と同じ轍を踏んでしまう」と、残念ではありますがシリーズ化はあきらめることにしました。
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