駅弁の甲子園で「1日6000個」売れる弁当の中身 全国の有名駅弁を抑え販売個数は「50年連続1位」

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多量のイカ
ブース内で多量のイカをさばいている(写真:筆者撮影)

実演ブースは大迫力

奥行き5mほどのブースの奥では、仕込み担当の方が、下処理を終えたスルメイカを掴んで胴体に口金を差し込み、生米を注ぎ入れて爪楊枝で留めて……「あぁいいよ、撮って撮って!」と仰る4~5秒の間に一連の作業を終わらせて1個を完成、次のイカをもう手に取っている。

その眼の前では、直径60~70㎝はあろうかという大鍋が6個も並び、醤油ダレで「いかめし」を一斉に煮ている。調理を担当されている方によると、「いかめし」の味付けに正解はなく、担当者が細かく味をチェックした上で微調整を繰り返して仕上げているとのこと。

そう言っている間に、完成した「いかめし」が大鍋からバットに移され、箱への移し替えが始まる。一瞬でまわりが「いかめし」のいい匂いに包まれ、購入待ちの列はまた延びた。

製造を担う「いかめし阿部商店」によると「京王百貨店での実演ブースの生産能力は通常の6倍はある」というが、それでもレジ前の列は途絶えない。

こうして1日6000個が売れていく「いかめし」だが、よく購入されるファンの方に伺うと、その魅力は「同じものがない」ことだという。イカは煮ると身が縮むため形も毎回違い、大鍋で煮るために味の染み方も違ってくる。

さらに、小ぶりなものは通常の2個からプラス1個で3個入っている場合も。手作りならではの味の違いを楽しめるからこそ、森駅の「いかめし」は50年以上も支持を得ているのだ。

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