「吉沢亮のCM降板」アサヒに続くべきではない理由 「酒の失態」に厳しくならざるをえない現代だが…
また、サントリーのタコハイの蒲田駅でのキャンペーン「京急 蒲タコハイ駅」の看板の一部が、NPO法人などから、「公共性が高い場でのアルコール広告が不適切である」という趣旨の批判を受けて撤去となっている。
上記に関してはSNS上では「厳しすぎる」という意見も少なからず見られた。日本はもともと、飲酒や酒に酔っての行動については比較的寛容だった。
以前は、宴会の席は「無礼講」と言われ、礼儀作法にとらわれない行動が容認されていた。問題となるような言動があっても、「酒の席でのことだから」ということで、かなりの程度は許容されてきた。
現代においては、「酒に酔っていた」という言い訳は一切通用しなくなっているし、そうした考え方が「グローバルスタンダード」となっているのもまた事実だ。しかしながら、多くの人々には「そこまで厳しくしなくてもよいのでは?」という心情も、少なからず残されているように見受けられる。
草彅剛は依然として誠実なキャラクターを維持
なお、酒に酔ってのタレントの不祥事として思い起こされるのは、元SMAPの草彅剛さんが、都内の公園で酒に酔って全裸で騒いで逮捕された事件だろう。
これは2009年の出来事だった。当時としても大きな問題となり、広告や番組も降板となり、草彅さんは一定期間の活動自粛に追い込まれた。
一方で、この事件が草彅さんのキャリアに深刻な禍根を残したともいえない。草彅さんは、依然として誠実なキャラクターを維持しながら、芸能活動を行っている。アルコールの広告ではないが、アルコールも扱っているサントリーの企業広告、「GREEN DA・KA・RA (グリーンダカラ)」の広告にも出演している。
「酒で失敗はしたが、才能もあるし、いい人だ」という世の中のイメージは崩れなかったのだ。
人々の心情はさておき、アルコールを扱っている企業としては、いずれにしても厳しい対応を取らざるをえない――というのが現実だ。
「お酒に酔って不適切な行動をする」ということは、アルコールを販売する企業としても防止しなければならないし、企業や商品の「顔」ともいえる広告起用タレントがそのような行動を取ることは、とうてい許容しがたいことだ。
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