将来地上から姿を消す?相鉄鶴ケ峰駅の「潜在力」 「西谷と二俣川の中間」ズーラシアの最寄り駅

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藤岡駅長のいうように、駅の北口は昔ながらの商店街が広がる。青果店などの店舗に交じってスーパーの「西友」もある。商店街を少し歩いた先には、意外に大きなバスターミナル。ここが鶴ケ峰駅のバス乗り場で、「ズーラシア」の愛称で知られる「横浜市立よこはま動物園」などのレジャースポットや、ひかりが丘といった住宅地へのバスが発着する。

鶴ヶ峰駅付近 バスターミナルと帷子川
国道16号(手前)とバスターミナル(奥)の間には帷子川。バスと歩行者だけが通行できる専用道で越える(記者撮影)

バスターミナルの北側を流れる帷子川はこの辺りから相鉄本線に沿うように流れ、横浜港にそそぐ。駅周辺には河川改修前の帷子川が流れていた跡を利用した「鎧の渡し緑道」「帷子川親水緑道」などの公園が整備されている。ほかにも、白糸の滝、白根神社、白根不動尊、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で中川大志さんが演じた畠山重忠に関連した史跡など知る人ぞ知るスポットが点在する。

「適度に都会で自然が残る」

藤岡駅長は「以前は各停しか停車しない駅でしたが、いまは平日朝ラッシュ時は通勤特急や通勤急行、日中も快速が停まります。相互直通運転でネットワークが広がり、電車に乗ったらそのまま都心などの各方面へ行ける利便性が高い駅になりました。休日にものんびり過ごせる場所があって、適度に都会で自然が残る、住みやすいエリアだなと思います」と話す。

現在、鶴ケ峰周辺では、横浜市の都市計画事業である連続立体交差事業が進められている。同駅を中心に相鉄本線を約2.1kmにわたって地下化することで、10カ所の踏切を取り除く計画だ。事業完了は2033年度の予定。駅自体も地上からは全貌がわからない地下駅舎となる。

相鉄 鶴ヶ峰付近 水道道踏切
駅西側の水道道の踏切は渋滞の原因となっている(記者撮影)

駅西側で交差する水道道(すいどうみち)の深刻な交通渋滞の解消のほか、駅前拠点の整備による活性化が期待される。藤岡駅長も「周辺が再開発されることになれば、さらに人気が出る街になりそう」とみる。

ただ、さまざまな行き先を掲げた電車が行き交う駅周辺の風景が一変することになるとは、このエリアに慣れ親しんだ人にとってもまだ想像がつかないかもしれない。

相鉄鶴ヶ峰駅 東側からの視点
東側から見た鶴ケ峰駅。電車は東武東上線の和光市行き。駅北側(画面右)は地下化のための工事ヤードとなっている(記者撮影)
【写真の続き】改札のすぐ横には「崎陽軒」。水道道の「開かずの踏切」も橋上駅舎も、「S字カーブ」を走る電車も将来的には地下化によって姿を消すことになる。「ズーラシア」の玄関口でもある、現在の鶴ケ峰駅とその周辺には何がある?
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橋村 季真 東洋経済 記者

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はしむら きしん / Kishin Hashimura

三重県生まれ。大阪大学文学部卒。経済紙のデジタル部門の記者として、霞が関や永田町から政治・経済ニュースを速報。2018年8月から現職。現地取材にこだわり、全国の交通事業者の取り組みを紹介することに力を入れている。

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