日経平均が4万8608円を達成する「3つの条件」とは 2025年の高値目標をいくらにおけばよいのか
相場のリズムや干支(えと)に頼る相場観は、さすがに軽薄すぎると思うので、年初の今回は2025年相場を数字で予測してみたい。
株価は周知のとおり、EPS(1株当たり利益)とPER(株価収益率)の掛け算で決まる。そして、EPSは業績見通しであり、PERはその株式が将来的に投資した資金を何年で回収できるかという市場の期待値をあらわすのも周知のことだ。そこで、2025年の日経平均のEPSとPERを推測してみたい。
日経平均が目標を達成するための「3つの条件」とは?
結論から言うと、条件が合えば高値目標は4万8608円となる。年初の各メディアのアンケートを見ると、4万6000円前後が高値目標という識者が多く、筆者の目標値はそれらの上限から2000円ほど上に離れている。実は、昨年の筆者の2024年の高値予想も4万2000円で、多くの人が予想していた上限である4万円程度から、2000円~3000円ほど離れていた。
さて「条件が合えば4万8608円」と予想したが、その条件とは、①消費者物価を上回る賃金上昇、②PER17.58倍、③EPS2765円の3つだ。計算式では③が最初のほうが順番としてはわかりやすいから、③×②とすると2765×17.58=「4万8608円」となる。
まず、1つ目の可能性はかなり高いと思う。金融政策も植田和男日銀総裁の言うとおり、春闘での賃金上昇を見ながら決定されるが、大企業(上場企業)の賃金上昇率は予想以上に大きい。
2つ目のPERの17.58倍は2024年の相場で出現した日経平均のPERで「最高の数字」だ。乱暴な予想に見えるが「インフレ指向相場」で名目収益率も上がる2025年に、現在の水準であるPER16倍台が、一度は再度この水準まで上がると考えることは、むしろ保守的すぎるほどの目標設定ではないかと思っている。
3つ目のEPSは、現在、上場企業の2025年度の増益率見通しが4%~10%と意見が割れている中で、こちらも日本経済がインフレを指向する過程で利益の名目値が上がることや、円安継続による輸出企業の業績拡大を考えると、増益率の見通しのうち、もっとも高い「10%増益説」をとるのが無理筋とは思えない。従って、過去最高だった昨年のEPS2514円は、10%増の2765円まであると考える。
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