LCC最大手だが安全性に問題も…チェジュ航空とは 2005年設立、自治体と財閥が合弁で設立
2005年設立のチェジュ航空は、韓国のLCCとして最大規模に成長した。同社は韓国・済州道(済州特別自治道)と化学・日用品製造を主軸とする中堅財閥・愛敬(エギョン)グループが合弁で設立。2006年に済州・ソウル金浦(キムポ)線で初就航を果たした。
2024年第3四半期(7~9月)の韓国国内線での累積輸送実績は、計2万724便・乗客約361万人。シェアでは15.4%となり、韓国最大手・大韓航空に次ぐ2位となっている。
また国際線では計4万137便・乗客約645万人でシェアは9.8%、大韓航空とアシアナ航空に次いで3位を占める。日本にも東京・成田や関西、福岡など各地に就航しており、知名度も高い。
一方で、設立以来20年近くで急速な成長を果たしたものの、その安全性についてはつねに問題点が存在してきた。
使用機体の稼働時間が長い
2021年、チェジュ航空は韓国の航空会社の中で総合安全度スコア最下位を記録し、韓国・国土交通省は同社に対し航空安全監督官を2倍に増やして管理監督を強化したことがある。
当時、チェジュ航空は補助翼の損傷を見つけられないまま運航した機体があり、これについて政府からの制裁を受けている。
2019年には韓国プサン・金海(キムヘ)国際空港から離陸した金浦空港行きの旅客機が、離陸5分後に機体ソフトウェアの不具合がわかり金海空港に引き返す事件も発生した。
さらに、チェジュ航空が保有する航空機の平均稼働時間が他社に比べて長く、機体の老朽化が早いという指摘もある。
航空機の月平均稼働時間とは、航空機が収益を得るために飛行する総時間を保有航空機台数で割った数値だ。
2024年第3四半期時点で、チェジュ航空機の月平均稼働時間は418時間となり、大韓航空の355時間より17.7%長いことがわかっている。
同じ韓国のLCCであるジンエアーの371時間と比較しても12.7%長く、安全性について指摘されてきた。
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