ヴィレヴァンが知らぬ間にマズいことになっていた【再配信】 「遊べる本屋」はなぜ魅力を失ってしまったのか
【チェーンストアや都市に対する豊富な知見、フィールドワークを通じてたくさんの記事を執筆されている谷頭和希さん。2024年に配信した記事の中でも、とくに反響の大きかったものをお届けします。こちらは2024年1月に公開した記事の再配信です。】
「遊べる本屋」、ヴィレッジヴァンガード。「ヴィレヴァン」として全国に店舗を広げる同店だが、知らないうちにそこそこマズいことになっていたらしい。
というのも、2023年11月中間決算によると、営業損失が7億4900万円で、前年同期の1億7600万円の損失から赤字が拡大しているからだ。既存店の数はここ数年で減り続けており、それによる単純な減収、そして人件費や物価高の影響も響いている。
売上高ベースで見ると、2016年5月期が最高収益で、467億5800万円。ただし、そのときも営業赤字は2億円ほど出ている。2007年に買収した中南米雑貨の「チチカカ」が、その経営の足を大きく引っ張っていたようだ。
2017年にはチチカカを売却し、ヴィレヴァンのみでの営業を続けているが、その後も黒字化と赤字転落を繰り返し、経営の足取りはふらついている。
ヴィレヴァンのジレンマ
ライターの不破聡は、こうした迷走の背景について、コロナ禍によって同社がオンライン事業に力を入れたことの影響を挙げる。
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