優等生だったドイツがここまで「凋落」したなぜ それでも政府には危機感がない不思議
肌で感じにくい、いわゆる「緩慢な衰退」が始まっているということだ。今回のテロは危機感を目覚めさせるものだったが、経済の重心は確実にアジアに移行している。
現在のドイツには、ベルリンの壁崩壊後の統一によるドイツの再生に取り組んだ時のような国民の結束はない。移民問題をめぐって分断され、ポピュリズム政党が確実に勢力を伸ばしている。世界的に評価の高かったメルケル前政権だが、彼女が進めたロシア、中国への東方政策は、今となっては大きな誤算だった。
危機感の薄さは日本も似ている?
来年2月で次期政権を担う最有力政党のキリスト教民主同盟(CDU)のメルツ党首の打ち出す政策は、直面する危機的状況打開に向け、どこまで社会保障負担を減らし、小さな政府実現につながるか経済界は疑問視している。
それに対中国の経済対策で目に見えた政策が打ち出されておらず、「手遅れ」感もある。緩慢な衰退、平和ボケ、政治の停滞は敗戦国、日本にも類似性があり、危機感のなさまで似ている。
イデオロギーに固守する左派は自らの不人気について自覚症状がなく、さりとて中道右派もドラスティックな改革を行う手段を持っていない。誰がドイツを救い、ひいてはヨーロッパを救えるのか、いまだ答えは見えていない。
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