仕掛けは"全部ガチ"「ドッキリGP」の驚く舞台裏 真剣に騙す"完全ドキュメンタリー"が目標

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中川さんは2002年にフジテレビに入社。3年目に少年時代から大好きだった『みなさん』のADに配属となる。『みなさん』ではADからディレクター、プロデューサーとして14年にわたり関わった。フジテレビの看板バラエティー番組での経験がドッキリ番組を制作する中での彼のルーツだ。

フジテレビ
中川将史(なかがわ・まさふみ)/1980年生まれ、東京都出身。慶應義塾大学卒業後、2002年にフジテレビジョン入社。『笑っていいとも!』のほか、2004年から18年の番組終了まで『とんねるずのみなさんのおかげでした』、2018年から2021年まで『さんまのお笑い向上委員会』など、数多くの番組を担当。現在は『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』『何か“オモシロいコト”ないの?』『お笑いオムニバスGP』で総合演出を務める(写真:©️フジテレビ)

『みなさん』といえば、ゴルフ場のグリーンに見立てた落とし穴に何も知らない演者(騙される側の人)を落として、その落下の美しさやリアクションを競う『全落・水落』シリーズや、ドッキリを仕掛けられた人が、再度まったく同じドッキリを仕掛けられ、そのリアクションの面白さを競う『ガッチャンコステークス』といったドッキリ系企画も多い。

中川さんにとって『みなさん』での経験が後の『ドッキリGP』に生きている。彼にとって『みなさん』時代は映像ディレクターとしてのルーツなのだ。

「『全落・水落』シリーズの初回ロケで、僕が落とし穴に気づかずに演者さんが落ちる予定の落とし穴に落ちてしまい、見せ場を潰してしまったんです。それで頭が真っ白になって『これで番組をクビになるな』と思ったぐらいショックで……。

ロケ終了後にとんねるずさんには土下座して謝りに行きました。2人とも怒っていませんでしたが、あれは反省しています。

『ガッチャンコステークス』は僕がしていたのですが、あれは仕掛け人と演者による空気の読み合いであり、双方がどうやってドッキリの現場を面白くするかという“闘い”なんですよ。ドッキリだとバレた後にみんなで面白いものを作り上げていく共同作業が醍醐味で、本当に好きなコーナーでした」(中川さん)

「ドッキリ」のネタを考えるヒント

2018年3月、『みなさん』は、『とんねるずのみなさんのおかげです』から含めると30年に及ぶ長き歴史に幕を下ろした。中川さんは同年4月に放送された、まだレギュラー放送となる前の特番時代の『ドッキリGP』にディレクターとして参加している。

「『みなさん』が終わると決まってから僕はプロデューサーとディレクターを兼務していて、大型企画以外はディレクターとしては手を引いている状態だった時に、『ドッキリGP』を立ち上げた蜜谷浩弥チーフプロデューサーから『何本かドッキリの映像を作ってくれないか』と依頼されて、『ドッキリGP』の前身番組『ドッキリさせちゃうぞGP』からディレクターとして参加しました」(中川さん)

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