イスラエルは野戦病院を設置し、増え続ける患者に対応した。この作戦はアサド政権がシリア南部を制圧した2018年9月まで続けられた。
2年あまりで1300人以上の子どもを含む4000人以上のシリア人に医療を提供してきた。ここで生まれた子どもも数百人にのぼるという。
医療行為だけではなく、食料1700トン、医療品2万6000箱、衣服35万トン、燃料110万リットルなど、さまざまな支援物資を提供した。
イスラエルのネタニヤフ首相は、シリアでアサドの独裁政権が倒れたことについて、イスラエルにとって新たな機会が訪れるチャンスになると述べたが、同時にリスクが伴うことも言及した。
脅威を除き平和を模索する
「1974年に合意された緩衝地帯は崩壊し、シリア軍が撤退したことにより、イスラエルへの脅威が増している。そのため、IDFは緩衝地帯とその付近に展開した。いかなる敵対勢力もここに拠点を築くことを許さない」
イスラエルは「バシャンの矢作戦」を実行し、これまでシリア国内の300以上の軍事目標を攻撃し、シリア軍が残していった戦闘機、弾薬庫、ミサイル基地などを破壊した。
こうした武器が新勢力に渡るのを阻止し、シリアへの足がかりを得ようとするイランの試みを挫き、ヒズボラへの武器供与を阻むのが目的である。
さらにイスラエルは「シリア国内の戦闘には介入せず、イスラエルとゴラン住民を守るために行動する」と強調している。ネタニヤフ首相はかつての「良き隣人作戦」にも言及し、「イスラエルと平和に暮らしたいと願う人々に平和の手を差し伸べる」と述べている。
イスラエルは、自国の安全を脅かす存在に対しては一切妥協しない。その一方で、平和を願う人とは共存していく意志を表明している。
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