中山美穂さんの近親者に突撃するマスコミの病理 過熱報道も迷惑系YouTuberも愚かな受け手がいる

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ちなみに所属事務所は、6日時点で「マスメディアの皆様におかれては、ご家族やご親族に配慮し、過度な取材・報道は厳に慎んでいただくよう切にお願い申し上げます」と依頼文を送っていた。

「関係者各位並びにファンの皆様へ」から始まる依頼文
(画像:MIHO NAKAYAMA OFFICIALより)

「過度」の判断基準について、一部メディアとギャップがあったのだろうか。8日には「ご遺族および関係者のプライバシーを尊重するため、取材はお控えいただきますようお願い申し上げます。また、近隣住民の方々へのご迷惑となる可能性がございますので、自宅や事務所への張り込みや訪問もご遠慮くださいますよう、重ねてお願い申し上げます」と、取材そのものを控えるよう念押しした。

倫理観を横に置いてまで、行うべき取材なのか

ネット中心ながらメディア業界に長年、身を置いている筆者としては、冠婚葬祭といった話題が、読者の興味を集めることは十分理解できる。また、忍さんの姿が「絵」になるのではと考える業界人がいても不思議ではない。しかし、「それは本当に、倫理観を横に置いてまで、行うべき取材なのか」との観点に立つと、避けるべきだったと感じる。

訃報のみならず、報道陣が多数押しかけて行われる取材は、一般的に「メディアスクラム(集団的過熱取材)」として扱われる。その多くは、メディア側からすると「公益性があるから」という理屈で、長年正当化されてきた。

しかし、近年では「公益性よりもプライバシーが重要だ」という考え方が、急速に普及しつつある。かつての「有名税」の位置づけも変わり、フィギュアスケート・羽生結弦さんの結婚や、野球・大谷翔平選手の新居をめぐる報道では、著名人でもひとりの人間であるとの認識が広まった。

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