「東海道線の終点」神戸駅、地味でも大きな存在感 連節バスが乗り入れ、駅前再整備で変貌するか
神戸駅は1874年5月11日、大阪と結ぶ鉄道が開通した際に誕生した。1872年の新橋―横浜(現・桜木町)間に次いで日本で2番目の路線で、2024年に開業150年を迎えた。1930年に建てられた現在の駅舎は昭和初期のレトロな外観。正面に掲げられた大きな時計が目を引く。かつて貴賓室だったスペースはスターバックスコーヒーの店舗の一部になっている。
神戸駅周辺では線路が南北に走っているため、駅の東と西に出入り口があるが、西の山側を北口、東の海側を南口と呼ぶ。北口には南北朝時代、湊川の戦いで足利尊氏の軍に敗れて自刃した楠木正成をまつる湊川神社。駅開業より2年早い1872年に創建された。神社の前を横切る多聞通は正成の幼名、多聞丸にちなむ。神社の北側は神戸文化ホールや神戸大学付属病院、大倉山公園など市民のための施設が点在する。
サンテレビ本社もある
一方、南口には旧国鉄の湊川貨物駅などの跡地を再開発した広大な「神戸ハーバーランド」が広がる。現在はショッピングセンター「umie(ウミエ)」、「神戸アンパンマンこどもミュージアム&モール」、「ホテルクラウンパレス神戸」、温浴施設の「万葉倶楽部」が入る「プロメナ神戸」などが建ち並び、ショッピングや観光で多くの人が訪れる。
ビジネス街の一面もある。超高層ビルの「神戸クリスタルタワー」には川崎重工業神戸本社が入る。北隣の新しい複合ビルには、阪神タイガース戦の中継でおなじみのサンテレビジョンの本社が2021年に移転、「ホテルジュラク」も開業した。蒸気機関車(SL)「D51」を展示した広場もあり、夜間にはSLがライトアップされている。
JR以外の鉄道は外からは見えない地下で実力を発揮する。北口の多聞通の地下には神戸高速線の高速神戸駅。阪神と阪急の共同使用駅で、直通運転する山陽電気鉄道の車両も走る。神戸電鉄が乗り入れる隣の新開地駅までの間には地下街「メトロこうべ」が延びている。
南口の地下には三宮・花時計前駅と新長田駅を結ぶ神戸市営地下鉄海岸線のハーバーランド駅。高速神戸駅とハーバーランド方面は地下街の「デュオこうべ」でつながっている。
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