欧米が対イラン制裁、くすぶる原油高騰懸念

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ホルムズ海峡は、サウジ、UAEなどペルシャ湾沿岸の産油国から出港した原油タンカーが通る搬出路。日本の輸入量の約8割、世界で消費される原油の約2割が通過する海峡で、まさに原油海上輸送の大動脈だ。その要所が軍事封鎖される事態になれば、日本はもちろん、世界的な大混乱が予想される。

もちろん、イランがそうした暴挙に出た場合、「米国などの軍事介入を招き、自分の首を絞めることになる」(石油天然ガス・金属鉱物資源機構の野神隆之・上席エコノミスト)。それゆえ、実際に封鎖に踏み切る可能性は低いとみられるが、そうした不安が存在すること自体が原油相場の上昇圧力となり、足元の原油市況は高値が続いている。

「イラン問題がくすぶり続ける中、少なくとも今年前半の原油相場は先高感が強い。もしもイランがホルムズ海峡封鎖という行動に出た場合には、2008年につけた過去最高値(WTI原油先物価格で1バレル=147ドル)を超えるだろう」(野神氏)。まさに中東の火薬庫と化したイラン。その動向は日本にも大きな影響を及ぼす。

(渡辺清治 =週刊東洋経済2012年1月21日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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