ダイドー、「トルコで大躍進」の知られざる戦略 現地ブランド品が絶好調、背景には中東問題も

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国内飲料は数量が停滞しているが、海外は急拡大。その意外な理由とは?(記者撮影)

自動販売機でおなじみ、国内飲料大手・ダイドーグループホールディングスの業績が好調だ。

11月26日に発表された2024年2~10月期決算。売上高は前年同期比9%増の1801億円、営業利益は同10%増の64億円の増収増益となった。会社の通期営業利益予想は44億円だが、すでに大幅に超過している。

この結果を受け、翌27日の株価は前日終値比12%高の3290円となり年初来高値を更新。その後も高値更新を続けている。

海外の営業利益は前期比6倍増の成長

サプライズとなったのは海外飲料事業だ。営業利益は42億円となり、前年同期比518%増と大躍進している。牽引したのは海外飲料事業の売上高の約7割を占めるトルコだ。

ダイドー傘下のダイドードリンコは2016年、トルコの食品最大手・ユルドゥズ・ホールディングから飲料製造子会社3社を買収。トルコには日本の競合他社が少ない上に、人口増加で飲料市場の中長期的な拡大が見込める。すでに高い認知度を持つブランドや製造工場を獲得することで、1から販路を開拓する必要がない点もポイントだった。

トルコは近年、急速にインフレが進み、2023年1月期以降、トルコ子会社の財務諸表へ超インフレ会計(注)を適用している。第3四半期時点で適用前に53億円あった営業利益は、適用後に42億円へ押し下げられた。

それでも、前期の第1四半期に5%程度だったトルコ事業の営業利益率(現地通貨ベース)は、今期の第3四半期に20%へ迫る勢いで伸長している。トルコはグループ全体を支える収益柱へと急成長しているのだ。

(注)超インフレ会計とは
3年間の累積インフレ率が100%に近づいている、または100%を超えている「超インフレ経済下」では、IAS第29号「超インフレ経済下における財務報告」に定められた要件に従い、会計上で以下の調整が必要になる。
①日本円換算時、資産・負債及び収益・費用項目を決算日レートで換算する
②物価指数の変動を財務諸表に反映する
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