東急「たまプラ」と小田急「新百合」の共通点は? 実は近い2つの駅、周辺の街並みは異なる表情
反対側の北口には前述した麻生区役所のほか、複合施設「新百合21ホール」「農住ビルアーシス」、小劇場や映像館などを備えた「川崎市アートセンター」がある。さらに南口には昭和音楽大学、北口には日本映画大学と、駅から徒歩数分内に大学のキャンパスが2つもある。
川崎市では、芸術文化を振興する拠点とする「しんゆり・芸術のまち」の取り組みを進め、現在では「芸術・文化のまち麻生」の確立を目指しており、「しんゆり芸術祭」「しんゆり映画祭」などのイベントも開催している。アートセンターや芸術系大学の設置は、こうした方針が関係しているようだ。
新百合ヶ丘の将来については、横浜市営地下鉄ブルーラインの延伸がトピックになるだろう。
小田急電鉄広報部は「小田急沿線では昭和から平成にかけて開発してきた各都市が、この先更新時期を迎えることとなっており、新百合ヶ丘も中期経営計画でその対象として明記しています。現時点で具体的なことは決まっていませんが、地域の発展に貢献していきたいと考えております」としている。
両駅周辺を比べてみると
両駅周辺を比べると、たまプラーザのほうがゆったりしたまちづくりであり、新百合ヶ丘は対照的にコンパクトにまとまっている。年齢層は新百合ヶ丘のほうが若く、たまプラーザは落ち着いた印象だ。開発時期の違い、開発主体が民か公かという違いもあるだろう。
たまプラーザは自動車で移動する人も多いという印象だ。東名高速道路や国道246号線が近いことが関係しているだろう。対照的に新百合ヶ丘は、前述した津久井道がメインの道路で、筆者の体験でも自動車での移動はしにくい。特急ロマンスカーの一部も停車するので、観光にも鉄道を使う人が多そうだ。
厚生労働省の資料によると、市区町村別の平均寿命では、新百合ヶ丘がある川崎市麻生区が1位、たまプラーザが位置する横浜市青葉区が2位となっている。異なる個性を持つ「たまプラ」「しんゆり」だが、健康的に長く暮らせるまちという点では共通しているようだ。
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