「ソーシャルマーケティング」は歌姫から学べ テイラー・スウィフトが実践する5つの戦略
エンタメ情報メディアVulture.comの記者リンジー・ウェーバーは、次のようなことを記事に書いている。「テイラーは、SNSでやるべきことを理解し、楽しんでいる。ファンを友達のように扱えば、彼らがサポートしてくれるようになることを十分に知っているのだ」。
たとえば、2014年から運用を開始した、スウィフトのTumblrアカウントがいい例だ。ファンがコラージュのGIF画像を作成できるよう、あえてファニーな画像やGIF動画を投稿している。
このフランクさによって、一部の冷笑的なインターネットの住人からは、攻撃を受けるかもしれない。
しかし、そういったネガティブな反応を受け入れれば受け入れるほど、彼女の人気は増すものだ。もしブランド企業がユーモアを受け入れて、あえてツッコミどころを用意したら、ソーシャル・メディアで成功できる可能性は高い。
トレンドを生み出せ~重大発表をSNSで行おう~
2015年、グラミー賞はノミネート候補者を発表するためにTwitterを活用した。また、米Netflixのリード・ヘイスティングスCEOは、自社の株価を引き上げる重大発表をFacebookで行っている。
同様にテイラー・スウィフトも、2014年8月、アルバム『1989』のリリース2カ月前に、インスタグラム経由でちょっとしたプロモーションを行った。アルバムに収録される曲の歌詞の一部を手書きで披露し始めたのだ。
最初の投稿こそノートへの書き込みであったが、この投稿はどんどんエスカレート。リリース当日の17時間前には、自らの太ももに貼ったバンドエイドに歌詞を書き込むところまで発展した。なお、このスウィフトの投稿は65万の「いいね!」および、1万1471件のコメントを獲得している。
#1989lyricsというハッシュタグで開始された、このプロモーション。興味をもったファンは、次はどんな内容の歌詞が、どんな方法で披露されるのか、追い続けたくなるような仕組みをもっている。
また、そんなスウィフトの投稿に追従して、『1989』の歌詞でオリジナル画像を作るファンも続出した。2014年10月のアルバム発売までに、#1989lyricsへ投稿された作品数は、累計13,755件。その先の拡散数のことも考えると、バイラルプロモーションの成功例としてはモンスター級といっても過言ではないだろう。しかも、コストはほとんどかかっていないのだ。