斎藤さん再選に「熱狂する人」が知らない"真実" 今回の県知事選は「SNSによる完全勝利」とは言えない
今回は、SNSの中でも、YouTubeの影響が指摘されている。
政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏が出馬しつつ、斎藤氏へ援護射撃を行った。立花氏は街頭演説を行うのみならず、YouTubeやXで斎藤氏の疑惑を否定したり、百条委の県議を批判したりした。
財務省OBで嘉悦大教授の高橋洋一氏はYouTuberとしても活動しているが、YouTube上で斎藤氏のパワハラ疑惑の裏には、明らかにされていない県職員の不祥事があるのではないかと指摘している。
真偽のほどはさておき、多くの人々が「斎藤氏への批判は一方的」「斎藤氏の疑惑の多くは虚偽かもしれない」と解釈したようだ。
「斎藤氏への告発は改革を恐れる反対勢力の策略」と理解した人も少なくなかっただろう。筆者自身も、斎藤氏の失職前から、こうした説を耳にしたことはあった。
対抗馬は「SNSでの論調」を読み切れていなかった
投票直前の11月14日、兵庫県内29市のうち22市の市長が、稲村氏への支持を表明した。SNSで情報を入手している人たちは少なからず、「既得権益層が斎藤氏の改革を妨害している」と受け取ったようで、この表明は裏目に出てしまったようだ。
「対抗勢力による戦略ミス」というのも大きかったが、稲村氏や稲村氏の支持層がSNSの影響の大きさと、SNSで形成されている論調を読み切れていなかったというのはありそうだ。
斎藤氏に投票した人に対して、「偽情報・誤情報に惑わされた」とする意見もあるのだが、何が偽情報・誤情報なのか判然としない状況で選挙を迎え、曖昧な部分が斎藤氏に有利な解釈に働いたというのが実態であると思う。
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