得をするのは誰か?北陸新幹線の新案浮上

膨大な建設費、利害絡み合う未定ルート

この3ルートはいずれも新幹線のフル規格だが、新幹線と在来線の両方を走れるフリーゲージトレイン(FGT)を開発して、敦賀―新大阪間は在来線の湖西線に乗り入れる構想もある。「北陸と大阪をまずFGTで結び、その後1日も早くフル規格でつなげたい」と、将来の運行を担うJR西日本の真鍋精志社長は言う。

新たに線路を建設しなければならないフル規格に比べて、既存の線路を少し改造すれば使えるFGTなら建設コストは格段に安くなる。鉄道を所管する国土交通省もFGTに前向きな姿勢だ。すでに2022年度開業予定の九州新幹線長崎ルートへの導入が決まっており、現在鉄道・運輸機構が試験中である。

JR西日本は九州で試験中の車両をベースに、耐雪など仕様を改造する予定。だが、昨年暮れに九州でFGTの心臓部ともいえる台車に不具合が見つかり、走行試験は中断されたままだ。このためJR西日本の開発スケジュールにも影響が出るのは必至で、「FGTの導入が遅れて、フル規格の開業が早まるならFGTは不要」という声も関係者の間では出始めている。

新たなルートは小浜・京都経由

状況が混迷する中、与党は未定ルートについて2年以内に結論を出す予定だ。いずれにしてもリニア中央新幹線の名古屋─大阪間が開業する2045年より早期の開通を目指す。

そんな矢先、浮上した新たなアイデアは、小浜市を経由して京都駅に乗り入れる「小浜・京都ルート」。東海道新幹線に乗り入れず、京都─新大阪間は新たに設ける地下トンネルで結ぶ。

発案したのはJR西日本だ。「ルート選定で率先して意見を言える立場ではない」と前置きしつつも、営業主体として将来意見を求められる可能性を考え、さまざまな勉強を続けていたという。

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