南海本線の「要衝」泉佐野、知らない間に駅前一変 関空への乗り換え拠点、東と西で異なる表情

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一方、西口は道幅が狭くさらにレトロな駅前通り。突き当たりはアーケード商店街になっていて、大阪と和歌山を結んだ孝子越(きょうしごえ)街道が歴史を感じさせる。真北の方向、物流センターや工場が広がる埋め立て地の間に泉佐野漁港。水揚げされたばかりの新鮮な魚介類が並ぶ「青空市場」も人気を集めているという。

泉佐野駅 西口 駅舎
泉佐野駅の西口。近代的なデザインの高架駅だが…(記者撮影)
泉佐野 駅前通り
振り返るとレトロな雰囲気いっぱいの「駅前通り」(記者撮影)

地元では駅東の「山手」を「上」、駅西の「浜手」を「下」と呼ぶ。東口の駅上名店街(商店街)や西口の「泉佐野駅下り」交差点などでその呼び名を見ることができる。

いくつもある駅の表情

泉佐野駅は最近になってまた“新たな顔”ができた。市所有の東駅前広場の上空に2023年9月、地上12階建ての「レフ関空泉佐野 by ベッセルホテルズ」が開業した。館内にサウナ付き大浴場を備え、観光やビジネス客に向け、関空やりんくうタウンまでのアクセスのよさをアピールする。

泉佐野駅東口 レフ関空泉佐野
東口へは新たに完成したホテルの建物をくぐる(記者撮影)
泉佐野駅 地下階段
関係者以外立ち入れない駅の地下への階段。まだ知られていない一面がある(記者撮影)
【写真の続き】関係者以外は入れない駅の地下には何がある?

和歌山・泉南管区泉佐野駅長の松尾憲明さんは堺の出身で1990年入社。難波駅や開港時の関西空港駅に勤務した経験がある。

「かつて『四国号』といった特急は停まっていなかった。私の子供のころの泉佐野はすぐ近くに海がある漁師町のイメージだったが、関空やりんくうタウンができてガラッと変わった」と話す。「昔の雰囲気が残る西側から見る駅と、近代的なビルが建つ東側から見る駅では風景が異なるところが好き」という。

運輸車両部主任の上田宙史さんは入社以来、同駅で15年半勤務した。「地下駅舎時代から、高架の工事中、完成するまでずーっと見てきた」という。一方の駅西側は「ロータリーが新しくなった以外はあまり変わっていない」と説明する。

新しく“駅前”に開業した東口のホテルに昔ながらの西口。泉佐野駅で降りてみれば、まだまだ知られていない一面が発見できそうだ。

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橋村 季真 東洋経済 記者

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はしむら きしん / Kishin Hashimura

三重県生まれ。大阪大学文学部卒。経済紙のデジタル部門の記者として、霞が関や永田町から政治・経済ニュースを速報。2018年8月から現職。現地取材にこだわり、全国の交通事業者の取り組みを紹介することに力を入れている。

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