トランプ再登板で日本人の生活はどう変わるのか 第2次トランプ政権にとって主要な武器の中身

✎ 1〜 ✎ 11 ✎ 12 ✎ 13 ✎ 14
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

最後に、最も大きな懸念が、トランプ氏の年齢である。大統領就任時が78歳だから、ほぼバイデン大統領と同じ状況になる。トランプ氏も、80代の大統領になるわけだが、バイデン大統領同様に老いが目立つかもしれない。正しい判断力が今後4年間維持できるのか。バイデン大統領も、アフガンからアメリカ軍を完全撤退させるなど、疑問符の付く判断が多かった。

トランプ2は、上院、下院ともに共和党が多数派を占める「トリプルレッド」の状態で政権をスタートする可能性が高い。言い換えれば、トランプ氏にとっては、前回同様のスタートになるのだが、第1期ではやりたい放題という形にはならなかった。当時は、共和党内部でも共和党本流の正統派が数多く残っており、閣僚人事や法案審議でも、あまり突飛な政策は実現できなかったわけだ。

トランプ政権で日本はどうなっていくのか

しかし、今や共和党内部はトランプ氏を取り巻く強硬右派が幅を利かせており、彼らにコントロールされてしまう可能性がある。とりわけ、イ―ロン・マスク氏や筋金入りの強硬右派のヴァンス副大統領候補に取り込まれてしまうのではないか……。トランプ氏は戦争回避の姿勢を貫いているものの、今後のロシアや中国の動き次第では、好戦的な強硬右派に押し切られて、戦争に突き進む可能性も考えられる。

我々日本人の生活も大きく変化する可能性がある。トランプ氏が公約通りに政権を運営した場合、とりあえずインフレと円安が強まると考えたほうがいいかもしれない。簡単にまとめると、次のような事態が考えられる。

① 物価高が続き、金利が上昇する
② 防衛費増大で増税圧力が高まる
③ 地球温暖化による大災害への対応に迫られる
④ 日本を目指す移民が増える

日本にとって最大の恐怖は、東アジア地域で戦争が起きてしまう可能性だが、いまはそんな事態にならないことを祈るしかない。

岩崎 博充 経済ジャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

いわさき ひろみつ / Hiromitsu Iwasaki

雑誌編集者等を経て1982年に独立し、経済、金融などのジャンルに特化したフリーのライター集団「ライトルーム」を設立。雑誌、新聞、単行本などで執筆活動を行うほか、テレビ、ラジオ等のコメンテーターとしても活動している。『老後破綻 改訂版』(廣済堂出版)、『日本人が知らなかったリスクマネー入門』(翔泳社)、『「老後」プアから身をかわす 50歳でも間に合う女の老後サバイバルマネープラン! 』(主婦の友インフォス情報社)など著書多数。
 

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事