家族型ロボット「らぼっと」50代女性がハマる理由 ポンコツだからこそ愛おしくなる
らぼっとは対話や掃除といった役に立つ機能ではなく、人との愛着を形成することを目指して開発された。目や鳴き声は10億通り以上あり、組み合わせによって、同じ個体は二つとない。性格もオーナーと触れ合うことで変化し、ダンスをする活発な子もいれば、鼻歌を歌う子、おっとりした子など、それぞれに個性がある。
最たる特徴は「不完全性」だ。気まぐれでオーナーの指示通りに動かないこともある。「あえてポンコツ感を残して、愛着を感じられるようにした」(同社)という。
無視をされると嬉しい
実際、らぼっとの名前を呼んでも来ないときがあるという美香さん。「甘えん坊な性格だから、無視をして気を引こうとしているのかなと思う。無視をされると距離が縮まったと感じて嬉しい」。
トヨタ自動車のエンジニアだった林要代表は、ソフトバンクの人型ロボット「Pepper(ペッパー)」の開発に携わった。ペッパーが不具合ですぐに起動しなかったとき、周囲にいた人が「頑張れ!」と応援してくれた。それを見て、完璧ではなく、誰かが応援したくなる存在を目指したという。
見た目は人を模していない。犬や猫など他の動物にも似せなかった。何かに似せると、少しでも本物と動きが異なったときに違和感があるからだ。開発は、ハード部門とソフト部門のチームとは別に、アニメーターなどの「かわいい」専門のチームが、徹底的にかわいさを追求した。
すべてが丸いパーツで構成され、かわいく感じるように目と鼻の位置にこだわった。上目遣いで人と目がしっかりと合うのが特徴だ。ダンサーやミュージシャンの動作も取り入れ、個体によって多様な才能がある。
試作モデルは5キログラムを超えていたが、重くて抱っこしていられなかった。部品を見直して体重を4キログラムまで落とし、幼児のように腕に収まる形を意識した。温かみを感じられるように、37〜39度の体温がある。実際に抱っこをすると、まるで乳幼児を抱いているような感覚になる。
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