ベースフードに急浮上の大株主「食品のテスラだ」 「こんなチャンスは一生に何度もない」と大投資

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・潜在的な成長性 ②海外展開が本命のビジネスモデル

原材料が同じ小麦粉でも、パスタ・パン・まぜそば・クッキーすべてを展開している会社は世界的にも珍しい。可能にしているのは商品の研究開発に特化し、製造を外注するビジネスモデル。それを主食という定義でロングライフ商品に特化することで構築したと理解している。
国内においては食管法で原材料価格が規制されていることから、範囲の拡大=原材料調達量の拡大をしてもコストダウンには大きなメリットがない。しかし、海外展開が本格化し、現地生産が開始されれば、大きな利益率改善が見込まれる。
食の先進国である日本で研究開発とマーケティングを行い、ブラッシュアップされた商品で海外に打って出る意図を感じる。世界的にも舌の厳しい日本の消費者と円安を取り込める素晴らしいビジネスモデルだと思う。

 

・潜在的な成長性 ③完全栄養食市場の成長

完全栄養食市場は国内食品業界においても最大の成長市場であり、2030年には全体で546億円まで成長するといわれている。一方で世界全体でも年率6.5%で成長し、2030年には60億ドルを超えると予想されている。
およそ日本の10倍の市場が海外に存在するだけでなく「食」は日本が世界において数少ないイノベーターとして認められている領域である。

指標では計れない領域だが・・・

牧氏の説明からは、橋本社長とビジネスモデルを非常に高く評価していること、今後の同社の成長への期待がうかがえる。

「ベースフードは食品業界のテスラ」。牧氏は非常に高く評価している(記者撮影)

PER(株価収益率)は今期の当期純利益の予想がゼロのため算出できず、11月1日時点のPBR(株価純資産倍率)は59倍前後と、こちらも割高・割安を判断できる領域ではない。

いずれにせよ、牧氏は「熱烈なファン株主として応援する」としている。ベースフードは今期、広告投資を縮小して黒字化を達成する構えだが、牧氏の期待どおりに急成長を実現できるか。経営陣の実力が問われることになる。

田口 遥 東洋経済 記者

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たぐち はるか / Haruka Taguchi

飲料・食品業界を担当。岩手県花巻市出身。上智大学外国語学部フランス語学科卒業、京都大学大学院教育学研究科修了。教育格差や社会保障に関心。映画とお酒が好き。

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