「すき焼き型」は同じ具材を炒めた後、割り下に近い配合の調味料を注ぎ、強火で煮上げる方式です。ご飯によく合う濃い味に仕上がります。料理研究家の小林カツ代さんが考案したレシピが代表的でしょうか。
「蒸し煮型」は炒めるところまでは同じですが、蓋ができる厚手の鍋を使って、少ない調味料で蒸し煮にしていくスタイル。こちらも「すき焼き型」同様、短時間で仕上がりますが、素材の味を生かす点に特徴があり、一番、現代的なレシピです。
「肉じゃがはそもそもじゃがいもと薄切り肉という加熱時間の異なるものを同時に加熱するという不合理な料理」
というのはこの料理を紹介するとき、筆者がいつも強調する部分ですが、この料理が難しいのはこの部分。どのような手法を使ってもジャガイモはやわらかく、肉はそれなりにジューシー感を残す必要があります。
ポイントはジャガイモの加熱温度です。野菜にはそれぞれ固有の「軟化温度=やわらかくなるために必要な温度」がありますが、ジャガイモのそれは95℃以上とやや高め。それよりも低い温度、とくに60〜70℃付近で加熱するとペクチン硬化という現象が起きるので、やわらかく煮えないのです。
すなわちジャガイモをかんたんにやわらかく煮る方法は2つ。強火で煮るか(すき焼き型)、蓋をして約100℃の蒸気で火を通す(蒸し煮型)です。しかし、これまでの方法では肉に火が通り過ぎてしまうリスクがありました。そこで今回は「あらかじめジャガイモにレンジで火を通しておく」手法を導入し、短時間で肉の味わいを残した肉じゃがを目指します。
旧 ジャガイモがやわらかくなるまで火を通す
新 ジャガイモはあらかじめ火を通しておく
材料 2人分
牛切り落とし肉 100g〜125g
ジャガイモ 200g(大1個)
玉ねぎ 1/2個(100g)
しょう油 大さじ2
砂糖 大さじ2
水 100ml
サラダ油 大さじ½
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