急成長するアジアIT市場、同じ巨大新興国でもこんなに違う中国とインド
この「メンツ」というのは、「成功した人なら、これくらいのいいモノを携えるのが分相応」といった感覚だ。スマートフォンでもタブレットでもメンツを満たすことからアップル製品が一番人気だが、過去には中国未発売のゲーム機「PlayStation Portable(PSP)」がよく売れたこともあった。
昨年はAndroidスマートフォンが普及し、面白いゲームがたくさんあるとの認識が中国人の間で広まってきた。今年は中国のテレビメーカー各社が、ゲーム機としても使えるAndroid搭載テレビを発売する見通しで、このジャンルが人気になる可能性を秘めている。
■中国内陸のレノボショップ。やはり客はネット世代の若者ばかり
ホワイトカラー、上流層に顧客層が偏るインド
さてここでもうひとつの人口大国インドについて紹介したい。インドのIT市場でキーとなるのが英語が使えてパソコンが利用できるインテリ層である。
中国と同様、10億人を超える非常に大きな人口を抱えるインド。筆者は、インドというと、英語が通じITに強い、というイメージを抱いていたが、現場で庶民視点から見てみると案外そうではなかった。そもそも識字率は(毎年向上しているものの)74.04%と4分の1がまだ文字が読めない。識字率9割と新興国の中では比較的高い中国から次の新興国に行くと忘れがちな数字だ。文字が読めなければそもそもとしてネットデバイスを使いこなすことは難しい。
インドで英語やパソコンを使える人口は、最新のデータで1億人を超える程度でしかなく、それがほぼイコールでインターネットユーザー数となっている。インドのインターネットユーザー数だが、インドの調査機関IAMAIによれば1億1200万人とのことだ。人口比では少ないがそれでも日本のインターネットユーザー数を超える。
■インドのよろず家電店。デジカメも販売する