モンサント、頑なだった態度をなぜ一変? 遺伝子組み換えの最先端、根強い不安に対応

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――具体的にどういう点で姿勢を変えたのか。

われわれが最も伝えたいのは「農業へのツールを提供して、持続的な農業を可能にしていく」ということだ。そのためにも、(消費者との)対話を続けるべきだと考えた。

アイオワ州にあるモンサント社のラーニング(教育)センターで試験栽培されているトウモロコシ。特に南米で被害が多い「根切り虫」と呼ばれる害虫に抵抗性を持つ品種。

全社で毎日のように対話を行っている。会社が組織的に行うこともあるし、従業員が自発的にやっているものもある。従業員には「自由にやっていい」と勧めている。効果も出てきた。農業への関心は本当に高いことを、あらためて知った。参加者からは「なぜこのような取り組みを早くやってくれなかったのか」という声も出ている。

食糧は、人類にとって永遠の関心の的だ。だからこそ、モンサントは永久的に社会に関与していく。これまで農業生産者や科学者との交流は深めてきたが、それだけでは不十分だった。食糧や食品、農業、モンサントのこと、遺伝子組み換え作物のことなど、果敢に対話を深め、モンサントの透明性と、消費者からの信頼性を高めていく。

遺伝子組み換え原料からつくった最終商品への原材料表示など、消費者が手にする部分にも問題があるが、この件に関しても対話を続けたい。ただ、表示制度については全米で一貫した原則がまだなく、透明性も不十分な状況だ。モンサントとしては正確な表示をサポートしつつ、消費者から見て製品コスト面で手頃なものが入手できればよいと考えている。

国からの干渉を防ぐ目的も

――モンサントはグローバル企業だ。対話は世界規模で深めていくのか。

対話には実はもう一つの側面がある。世界には、たとえば中国のように政治が科学のプロセスに関与してしまい、科学研究上の健全な意志決定や、最終的な法律上の承認にもかかわってくるような国もある。中小企業や大学での研究開発を妨害するケースも出てきている。

モンサントほどの規模の企業になれば、問題があっても解消できる力はあるが、イノベーションは何も大企業のみでなされるものではない。なぜイノベーションを起こす必要があるのか、それが農業にとってどういう影響を与えるのか、われわれも情報を発信して、彼らの科学研究の一助になればいいと考えている。

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