プロ直伝!我が家の「オプション」選び7つのコツ 快適さとコスパの両立で後悔しない家づくりを

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だが水回りの設備機器は、使わずに放置していても劣化や水漏れ、カビ発生のリスクが生じる。中でも使用頻度が低い洗面台の引き出し内は湿気がこもり、カビの温床にもなりかねない。

設置費用や人件費を含めそれなりのコストも発生する洗面化粧台。使わない場合を考えると、無理して設置するのは費用対効果の面から見ても疑問が残る。各階に洗面化粧台を設置する場合は、本当に必要かどうか、よくよく考えてからが望ましい。

【⑥床暖房】ランニングコストやメンテナンス費用も要確認

床暖房は足元からポカポカと暖かく、部屋全体を暖めることができる快適な暖房設備だ。火を使わないため安全性も高く、小さなお子さんやペットがいる家庭でも安心して使えるメリットは大きい。

ただし、床暖房は断熱性能の高い住宅でこそ、効果を最大限に発揮できる設備である。住宅全体の断熱性能が保たれていない場合、床暖房でせっかく温めた熱が外に逃げてしまい、効率的に部屋を暖められない。

また、フローリング下に設置されているため、故障した場合は床ごと剝がして大がかりな工事のもと、修理・交換を行わねばならない。費用や手間がかかるのも難点といえるだろう。

【⑦ルーフバルコニー】知っておきたいメンテナンスの重要性

花火を眺めたり、ガーデニングを楽しんだりと、周囲からの視線を気にせず、プライベートな時間を過ごせるルーフバルコニー。こちらも憧れの仕様ではあるが、メンテナンス費用が高額になる可能性がある。

屋外にあるため雨風や紫外線にさらされやすく、防水面での補修や塗装、床材の交換など、維持費用がかさむ可能性も高い。メンテナンスをしかるべきタイミングで継続実施しなければ、雨漏りのリスクが高まる。

さらに屋根の一部をバルコニーにするため、屋根裏の空間が狭くなってしまい、点検しにくくなるというデメリットも生じる。屋根の劣化や雨漏りの発生に気づくのが遅れ、被害が広がらないように気を配ることもポイントとなる。

長期的な視点を持って設備、仕様を選ぼう

マイホームには、誰しもが夢を抱く。より住みよい家にできるようこだわりを持つのは当たり前のことだ。

しかしながら、理想を追求するあまり、維持費や修繕費の問題、将来的なライフスタイルの変化などを見落としてしまうと、後々悔やむことになりかねない。

今回の内容を参考に、メリットだけでなくデメリットも理解したうえで、本当に必要な設備や仕様を選ぶことが賢い家づくりへの近道となるはずだ。

長嶋 修 不動産コンサルタント(さくら事務所 会長)

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ながしま おさむ / Osamu Nagashima

1999年、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社『株式会社さくら事務所』を設立、現会長。以降、さまざまな活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築いた。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任している。主な著書に、『マイホームはこうして選びなさい』(ダイヤモンド社)、『「マイホームの常識」にだまされるな!知らないと損する新常識80』(朝日新聞出版)、『これから3年不動産とどう付き合うか』(日本経済新聞出版社)、『「空き家」が蝕む日本』(ポプラ社)など。さくら事務所公式HPはこちら
 

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