中古車販売「ガリバー」と「GS」に金融庁が立入検査 事故車修理の一部で保険金水増し請求などの疑い
グッドスピードは2023年8月に保険金不正請求の疑義が浮上したことで、同月末に社内調査委員会を設置。同年10月には、調査した1664件のうち91件で「不適切疑義案件」があったと発表していた。
ただ調査範囲が限定的だったこともあり、損保各社は追加調査とともに、弁護士など外部の有識者による調査委員会の設置を繰り返し要請していた。
「嘘納車」「納車テイ」などと称して売り上げを先行計上
ところが、その最中に金融庁への公益通報によってグッドスピードには「不正会計」疑惑も持ち上がった。納車前の段階にもかかわらず、販売代金を先行して売り上げに計上するという手口で、当時の取締役をはじめとして組織的な関与が強く疑われる事態に陥ったのだ。
2024年1月に公表した外部調査委員会による報告書によると、同手口は社内で「嘘(うそ)納車」「納車テイ」などと称されており、「車両納品確認書」を偽造していることも判明。売り上げとして先行計上した案件は、2018年9月期以降で合計約6000件、金額にして約150億円にも上っており、2019年の株式上場前後から急速に件数及び金額が増えていたという。
一連の不祥事による販売の落ち込みや決算修正などの影響で、債務超過に転落。その後、ガソリンスタンドなどを運営する宇佐美鉱油がTOB(株式公開買い付け)を実施したことで、宇佐美の完全子会社となり、2024年8月に上場廃止となっている。そうした不正会計による混乱もあり、保険金不正請求の疑義についての同社や損保による調査は思うように進んでいなかった。
金融庁の立ち入り検査について、IDOM、グッドスピードともに「お答えはいたしかねる」としている。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら