アメリカ社会「分断」の根底にある"ふたつの聖書" バイデンとトランプが宣誓に使った聖書は別物
今回もまた激戦がつづくアメリカ大統領選挙ですが、どちらの候補が勝利しても就任式で必ず行うのが「聖書に手を置いての宣誓」。ですが、日本大学教授の松本佐保氏によれば、この宣誓で使う「聖書」は、じつはいつも同じものとは限らないそうです。
「黒人バプティスト教会」に属するハリス氏と「カルヴァン派の長老派」のトランプ氏。ふたりの背景にある宗教的な事情を、松本氏に聞きました。
※本稿は、松本氏の共著『分断されるアメリカ』から、一部を抜粋・編集してお届けします。
キリスト教の解釈の違い、信仰心の違いが生み出す分断
――基礎的で根本的な質問ですが、アメリカの分断において宗教は大きな要因なのでしょうか?
松本佐保氏(以下、松本氏) 宗教には、大きくふたつの分断があります。ひとつはキリスト教に関しての解釈の違いがあります。
そして、もうひとつは、若い人たちの間でキリスト教はそこまで重要じゃないという信仰心の薄い人たちが出てきている状況です。非常に信仰心が篤い人と、宗教は二の次だという人の分断があります。
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