インドで儲ける企業に目を向けない投資家の損失 株式投資するならこれからの新興国で動く企業が鍵だ

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インドのマーケットを狙っている企業は、他にもあります。文房具メーカーのパイロットについての四季報のコメントも、なかなか刺激的でした。「日本の20倍のインド初等教育児童をターゲットに昨年設立の現法で拡販」(2023年2集春号より)とあります。

インドの初等教育児童の人口は約1億3000万人。文房具は消耗品ですから、この人口が何度も買ってくれるとなると大変なことになります。日本の文房具の品質は海外でも知られていますから、今後パイロットが大きく伸びることにも期待ができるのです。

ここで、一つ間違えて覚えてしまってはいけないことがあります。海外にマーケットを広げていればどんな銘柄でもいい、というわけではありません。

TOTOウォシュレットは中国で伸びなかった

私は2007年にTOTOの中国工場に見学に行きました。TOTOはトイレの国内シェア6割、温水洗浄便座(ウォシュレットはTOTOの商標)では5割を占めています。

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先のユニ・チャームの例のように、中国でのウォシュレットの伸びにも期待しましたが……現実はそこまで甘くありませんでした。

当時中国では、そもそもウォシュレットという製品が認知されておらず、絶対に必要な紙おむつや文房具と違って、なくても問題ないものだったため、普及するのに時間がかかってしまったのです。

ただ、2024年4集秋号の四季報では「中国は市況低迷続くが、米州はウォシュレットが活況」「米州ではウォシュレットの普及加速へ販促策強化」とコメントされていて、やはり中国は予想した通り伸びませんでしたが、アメリカについては「普及加速」とのことで期待できます。

渡部 清二 複眼経済塾 塾長
わたなべ・せいじ / Seiji Watanabe

「会社四季報オンライン」でコラム「四季報読破邁進中」を連載。1967年生まれ。1990年筑波大学第三学群基礎工学類変換工学卒業後、野村證券入社。個人投資家向け資産コンサルティングに10年、機関投資家向け日本株セールスに12年携わる。野村證券在籍時より、『会社四季報』を1ページ目から最後のページまで読む「四季報読破」を開始。2014年の独立後も25年以上継続中で、2022年10月1日には四季報100冊読破。2014年四季リサーチ株式会社設立、2016年複眼経済塾設立。公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定AFP、国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト

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