小田急「都内の要衝」喜多見、知られざる駅の裏側 車庫・乗務所のほか、運行に不可欠な職場が集中

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喜多見駅はかつて、一大ターミナルに発展する可能性があった。地下鉄千代田線は昭和30年代の計画当初、起点を喜多見としていた。『小田急五十年史』によると、想定された仮ルートは「原宿から駒場付近を走り、若林付近から世田谷通りの下を通り、東宝撮影所付近で地上に出て喜多見駅に至るもの」だったという。この計画は形を変え、現在の複々線につながっている。

また、新百合ヶ丘駅から分岐して多摩ニュータウンへ延びる小田急多摩線も、当初は喜多見駅を起点とする予定だった。実際に小田急は1964年、喜多見から当時計画中だった多摩ニュータウンを経て、神奈川県の城山町(現在の相模原市)までの路線免許を申請している。

喜多見駅を起点とする地下鉄が開通すれば「多摩新線の都心直通運転が可能」(『小田急五十年史』)になるという狙いだったが、京王電鉄の計画路線(現在の相模原線)と競合することや、多摩川に新たな橋を架ける必要があることなどから計画を変更。喜多見駅は乗換駅として変貌することなく、静かな住宅街の駅のまま現在に至っている。

どんな利用者が多い?

成城学園前管区の幸内圭副駅長は駅の特徴を「国本の生徒さんや、ウチの社員の利用がとくに目立ちます。徒歩10分くらいのところには懐かしい雰囲気の銭湯もあります」と話す。相模原市出身の幸内副駅長も「小さいころに親に連れられて相模大野で電車を眺めていた」ことが現在の仕事につながったようだ。

成城学園前管区長 副駅長 喜多見駅
喜多見駅を管轄する成城学園前管区の遊佐善樹管区長(左)と幸内圭副駅長(記者撮影)

喜多見駅は始発から朝6時30分までは駅員を配置しておらず、駅務機器やエレベーターの始動などは成城学園前駅から遠隔操作をしている。

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