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石破茂氏に捨て駒としての価値を見た自民の冷徹 沈没の危機に瀕した党が繰り出す奥の手が炸裂

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  • 塩田 潮 ノンフィクション作家、ジャーナリスト
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2024年8~9月の沈没の危機で、自民党は今度も「奥の手」に頼った。新しい表紙は無派閥政治家に、という大合唱に乗って、石破氏、高市氏、小泉進次郎元環境相が浮上した。

万年与党にこだわる自民党には、大危機に遭遇したときにさっと発想を変えて、党内少数派に属する新型のリーダーの中で危機の乗り切りを託せるのはこの人物、と判断する伝統的な「知恵」が存在する。

「捨て駒」を承知のうえで勝負した石破氏

今回は、「冬の時代」も含め、長年の孤軍奮闘、七転八起、艱難辛苦を乗り越えて生き抜いてきた石破氏の生命力と遊泳力を見て一本釣りするという選択にたどり着いた。その自民党の手法が最後に党内で多数の支持を得ることに、石破氏は気づいていたに違いない。

課題は、国民が自民党の「奥の手」や「知恵」を容認するかどうかだ。2023年後半以降の自民党政治を見ている限り、今回の国民の自民離れは、予想をはるかに上回る厳しさである。

民意は、「表紙の取り替え」と「首相の使い捨て」を自民党の常套手段と見透かし、本物の「解党的出直し」でなければ承知しないという判定を下す展開は大いにありえる。答えは次期衆院選で明らかになる。石破氏はこの逆風を乗り越えることができるかどうか。

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