Metaが狙う「空間コンピューター時代」の覇権 次世代プラットフォームで支配的ポジションへ
若年層向けのエンターテインメントデバイスとして捉えると、Nintendo Switchが新世代モデルへの切り替えを直前に控えている中で価格的には同じレンジにあり、来年登場する次世代機は300ドル台前半と予想されている。
Quest 3Sはゲーム専用デバイスではないが、今年の年末商戦次第では新たなゲームプラットフォームとしての足場を築く可能性が十分ある。
しかし、Meta Platformsが見据えているのは、デバイス普及のその先だ。
オープン化したHorizon OSの適応範囲を大幅に拡大
Meta PlatformsはQuestシリーズで採用してきたOSをオープン化し「Horizon OS」と名付けた。このOSを採用するデバイスはASUS、レノボ、マイクロソフト(Xboxブランド)といった企業から登場する見込みで、その後もパートナーを拡大していく。
Horizon OSは元々AndroidのVR、AR向け拡張をベースに独自開発してきたものだが、現在は拡張と洗練が進められており、完全にオリジナルのOSと言える。
より汎用コンピューター向けプラットフォームとしての性格を強めており、スマートフォンやタブレット向けのプラットフォームに比べると、むしろPC向けOSに近い汎用性をMeta Platformsは与えようとしている。
Horizon OSはMR体験を基礎に機能が見直されており、VRやMRのアプリを実行中に2Dアプリを動かせるようになった。この点はアップルのvisionOSに近いが、Horizon OSでは現実空間の壁に2Dアプリを貼り付けるなどの機能がある。
映像ストリーミングのアプリを壁に配置したり、新たにサポートされたAndroidアプリを空間や壁に配置できるようになる。
また、最大6つまでのアプリを同時に実行可能となり、空間にそれぞれのアプリを配置した上で、各アプリからの音声を空間オーディオを用いて正しい方向間で再現できるようになる。
さらにマイクロソフトとの協力でWindows 11との連携を強め、Macの画面をVision Proの中で表示できるのと同じように、特別なアプリを追加せず簡単にHorizon OSの中に再現し、マルチディスプレイ化できるようになる。
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