Metaが狙う「空間コンピューター時代」の覇権 次世代プラットフォームで支配的ポジションへ

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

OSのオープン化を発表してから登録アプリ数は10倍に、今後、Androidの2Dアプリも扱うようになるため、さらにその数は増加していくだろう。

さらにMeta Platformsは、Horizon OS向けアプリの開発を助けるため、通常のAndroidアプリに空間表示機能を追加するMeta Spatial SDK、プロンプト入力で3Dオブジェクトのデータを生成できるMeta Spatial Editorを提供する。

自社アプリのInstagramとFacebookをHorizon OSに対応させたほか、Amazon Prime Video、Amazon Music、TwitchのHorizon OS対応版がリリースされた。

ウェブアプリケーションの開発環境にも手を広げ、ウェブのXR拡張規格であるWebXRを用いた開発をサポートするためブラウザの改良が施された。またPWA(ウェブアプリを単独のアプリに見せる機能)もサポート。

このほか、Unity 6やUnreal Engine 5のサポートとパフォーマンス向上など、畳み掛けるように、汎用コンピューターOSとしての基盤を整備している。

Orionがもたらすブレークスルー

MRデバイスが将来、どのようなものになっていくのか。Vision Proは1つの可能性を見せた。Meta Platformsは、Questシリーズを普及価格帯にすることを優先しているため現在は競合していないが、前述したようにOSの面では、着々とその準備を進めている。

一方でARデバイスの面では自社で次世代のデバイスを開発していた。これが冒頭で紹介したOrionだ。最大の特徴はホログラフィックによる70度の視野角にある。屈折率が極めて高いシリコンカーバイドをレンズ素材として用い、ナノスケールの精巧なウェーブガイド(導波管)を形成。レンズ周囲に超小型LEDプロジェクターをRGBの原色別に3基配置し、レンズ内にホログラフィックを投影する。

OLEDを応用したARグラスと一線を画す品質をもち、周囲の照明条件が変動しても実用上問題のない明るさを保ち、70度の有効表示画角で映画クラスの画面サイズや複数のモニターの同時表示をサポートする。

ユーザーは一般的なARグラスと同じように現実世界とデジタル情報の融合した視野を得ることが可能だが、その品質は大幅に進化し、没入感あるコンテンツ表示が行えるようになる。しかし、Orionに組み込まれている最新技術はディスプレイだけではない。

メガネ型フレームにバッテリーが収納され、ヘッドトラッキング、ハンドトラッキング、視線トラッキングのセンサーも内蔵している。もちろん、空間オーディオ対応のスピーカーやノイズに強いマイクも内蔵するが、加えて手首に装着する表面筋電位(EMG)計測リストバンドも組み合わせている。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事