中国の自動車市場は全体的に冷え込んでいるが、メーカー別やカテゴリー別に見ると温度差が大きい。
状況が最も厳しいのは、かつての主流だったエンジン車だ。自動車販売の業界団体、全国乗用車市場信息聯席会の崔東樹秘書長は9月10日付のレポートの中で、2024年1月から8月までに中国市場で販売されたエンジン車は累計744万台と、前年同期比15%減少したとのデータを示した。
一方、EVとPHVに代表される「新エネルギー車」は、中国市場の新車販売台数に占める比率が7月と8月の2カ月連続で50%を超えた。言い換えれば、新エネルギー車が主力のメーカーは(現在の厳しい市場環境でも)販売を伸ばす余地があるが、エンジン車が主力のメーカーは軒並み市場シェアを落としている状況だ。
EVメーカーの大部分が赤字
さらに、新エネルギー車のメーカーの中でも勝ち組と負け組がはっきり分かれつつある。
例えば理想汽車(リ・オート)は、あまたある新興EVメーカーに先駆けて2023年に通期黒字化を達成した。通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)と共同で「問界(AITO)」ブランドを立ち上げた賽力斯(セレス)も、2024年上半期(1~6月)の損益が黒字に転換した。
だが、新興EVメーカー全体で見れば大部分が赤字経営であり、それらはいつ破綻しても不思議ではない。2023年10月には、威馬汽車(WMモーター)が裁判所に破産および事業再生の手続きを申請して受理された。
中国の業界関係者の間には、「自動車メーカー各社の苛酷な価格競争(による淘汰)の先にしか、市場の安定はない」という見方が広がっている。
(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は9月15日
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