心身が弱っているときに静かに寄り添ってもらいたい人は、恋人候補と言っていいかもしれない。相手としても、単なる知人からあまり頼りにされても困るが、好きな人からの相談ならばできる限りの時間と労力を割くだろう。
自分への好意の量を測るのは悪趣味だけれど、一度だけどうしても知りたい場合は「相談したいことがあるので、今週中にどこかで会えないか」と打診してみるといい。出張中でもない限りは、どんな人でも30分ぐらいの時間は作れる。適当な理由をこねられて断られた場合は、自分との間には愛情はおろか友情すらないと察するべきだ。
全国転勤のある会社への就職がきっかけに
結婚願望はないけれど、「長く一緒にいられるパートナー」はほしいと思っていた由里さん。年齢のことを考えると、孝文さんへの気持ちを引きずったまま時間を浪費したくはない。
「私は彼と一緒にいると居心地が良かったし、彼も私との時間がそれほど嫌そうでもありませんでした。断られるだろうと思って告白したので、受け入れてもらったときは驚きましたね。でも、付き合ってからもしばらくの間は『私はだまされているんだろうな。適当に遊ばれてサヨナラされるはず』と思っていました」
しかし、孝文さんは本気であり、誠実な人物だった。安心して付き合えるようになった頃、彼の再就職が決まった。全国への転勤が前提となる会社だ。
「私は結婚をするつもりはありませんでしたが、彼のお母さんから『(転勤先に)ついて行ってもらえるとありがたいです』と言われて、断ることができませんでした。転勤がなくて、あのまま東京で付き合っていたら、きっと今でも結婚してなかったと思います。
結婚を実感したことですか? 彼のおじいさんの7回忌について行ったときぐらいですね。田舎の人たちは『一回りも年上の嫁』である私に興味津々。お義母さんが味方になってくれて助かりました。
普段、2人で名古屋のマンションで暮らしているときは、『結婚生活の安心感』みたいなものはありませんよ。彼は淡々とした人なので『奥さんにはこうあってほしい』みたいな要求はしてきませんし、私は彼に対して『自由に過ごせや、若者よ』という気持ちです。女の私だって36歳までフラフラしていたので、彼にも人生を謳歌してほしい。海外にだってひとりで行って来たら?と思いますね」
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