iPhone "Pro"の捨てがたい魅力を理解しているか スタンダードモデルの「当たり年」と言われるが

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日本では「2025年登場」というApple Intelligence。対応機種は15 Pro、16、16 Proとなる(筆者撮影)

こんな夢のような機能を『極力早く、すべてのユーザーに届ける』というのが、現在のアップルの最重要課題となっている。

だから、去年は『Pro』モデルにしか提供しなかった高性能チップをスタンダードモデルにも提供したというわけだ。搭載されているA18とA18 Proというチップにもベンチマークテストをしても大きな差がなく、色味や解像度など、ディスプレイの表示画質的にも大きな差はない。

では、何が一番違うかというと、カメラの画質だ。

iPhone 15世代では両者に搭載されるチップの性能に大きな差があったが、iPhone 16世代ではA18とA18 Proの性能差は小さい(筆者撮影)

決定的な違いはProRAW/ProRes

決定的な違いは、最近の『Pro』シリーズは、静止画でProRAW、動画でProResを使える、これである。

RAWデータとは『生』を意味する。一般的に使われる静止画のJPEGやHEIFというデータ形式はデータを圧縮してある。したがって、補正や加工をすると、データがさらに劣化していく傾向が強い。つまり、ProRAWは圧縮率が少ないデータで、ほぼセンサーが取得したままのデータが保存されているから、後から明度や彩度、色相などに手を加えても破綻が少ないし、補正できる幅が広いのだ。

Proシリーズは、ProRAWという圧縮率の低い写真、ProResという圧縮率の低い動画の撮影が可能で、プロの使用に耐える(筆者撮影)

つまり、ProRAWはあとでさまざまな補正を行う前提の画像データということになる。もちろん、非圧縮のデータであるから、JPEGやHEIFがおよそ3~4MBのところ、1枚の画像でおよそ30~50MBとデータ量が大きい。普段の撮影に使うと、すぐにストレージがいっぱいになってしまうから、やはり作品制作にiPhoneを使うプロ用ということなる。

ProResはProRAWの動画版的存在。加工に耐える圧縮率の低い動画フォーマットで、比較的一般向けの422HQというコーデックでも、1時間撮影しただけで300GB~400GBと、あっという間にiPhoneのストレージがいっぱいになるほどデータ量が大きい。

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