一等地に中国車両「国際鉄道見本市」の注目テーマ 「イノトランス」開幕、日立は高速車両を出展

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完成したばかりで今後中国国内でのデビューが決まっている。時速160kmでの営業走行を想定しているが、最高時速は200kmなので高速列車の範疇にも含まれる。

前回、この場所に置かれていたのはポーランドのメーカー・ネヴァグのハイブリッド車両。環境性能を重視する近年の鉄道業界のトレンドにマッチして来場者から高い関心を集めた。その場所に今年は中国製の列車がでんと構える。前回2022年のときは、中国中車の車両が置かれていたのはメイン会場からやや離れた通路のような場所だった。

車両の傍らにいた中国中車のスタッフに「こんないい場所を勝ち取るのは大変だったのでは?」と水を向けると、「わかりません」とつれない答え。しかし、「わざわざ中国から海上輸送でイノトランスの会場に持ち込んだ」と付け加えるあたり、輸送の手間と費用を考えれば意気込みは伝わってくる。世界最大の売上高を誇る中国中車の売り上げの大半は国内で稼いだものであり、国外売上を伸ばす必要がある。イノトランスは世界へアピールする格好の機会なのだ。

中国中車のCINOVA H2の前では「ゆるキャラ」が翌日のセレモニーに向けて練習中(記者撮影)

日立は高速鉄道車両を展示

日本勢では日立製作所の展示が目を引く。フランスの防衛・航空宇宙大手タレス社の交通システム事業を買収したことで、展示規模が従来よりも拡大した。

屋外では「フレッチャロッサ(赤い矢)1000」というブランド名を持つ国際高速列車ETR1000を展示した。この車両は2014年のイノトランスでも展示されていたが、このときは当時の車両メーカーであるボンバルディアとアンサルドブレダの共同開発車両として出展されていた。その後、ボンバルディアはアルストムに、アンサルドブレダは日立に、それぞれ買収された。そのため、今回は日立による出展となった。

日立の鉄道関連のグループ会社の1つである日立レールSTSでシニアディレクターを務めるマルコ・サッチ氏に「10年前の車両と何が違うのか」と尋ねてみると、「外見は同じだが、中身はまるで違う」とのこと。同じETR1000でも今回は主電動機とパワーユニットを再設計したほか、台車・列車制御監視システムも刷新した。2026年春からイタリアの鉄道会社トレ二タリアに納入することが決まっており、25日にリボンカッティングセレモニーが行われる予定だ。

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