Apple Watch"10年目"の刷新が示唆する今後の姿 ヘルスケア機能の進化と日本市場での展開加速の理由
アップルは今年、低価格なアルミニウムモデルにもグロス仕上げのケースを用意した。
ジェットブラックモデルでは、シリカナノ粒子を使用したケミカルポリッシュでの研磨を経て、微細な孔を表面に付けるマイクロパーフォ処理が行われる。そこに染色処理を施し、アルミの深い部分までブラックで染め上げたうえで、数段階の陽極酸化プロセスを経て、最後にDLCコーティングが施される。
その工程は全40段階に及ぶが、価格はリーズナブルに抑えられている。
本格的なAI技術の導入に向けて
この大幅刷新のタイミングで、将来を見据えた設計がいくつかある。
1つはディスプレイの拡大だ。ディスプレイの縦横比は、若干横方向が伸ばされたうえで、サイズも拡大された。
この違いは意外にも体感的に異なるもので、特にタッチ操作を伴うような操作では違いを大きく感じるはずだ。あるいは、ディスプレイサイズの拡大に伴い、従来よりも小さいサイズのApple Watchを選ぼうというトレンドも生まれるかもしれない。
ディスプレイの改良には、斜め方向から見たときの視野角が広がっているなど細かな点もあるが、Apple Watch Ultraの導入に伴って画面サイズの縦横比が自由になったことに伴い、Ultraではない通常のApple Watchもディスプレイの形状を見直したと考えるべきだろう。
つまり、アップルは、ここ数年にさかのぼった時点から、Apple Watchのソフトウェア開発環境を次の世代に移すべく準備を進めてきていたのだと思う。
例えば、今年の製品に採用されているシステムインパッケージ(SiP)のS10には、4コアのNeural Engine、すなわち推論エンジンが搭載されている。コア数だけで判断するのは危険だが、4コア化されたのは昨年のS9からで、ここでダブルタップという新しい操作性が加わった。
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