「安い=危険」は誤解、相場より安い中古車の訳 手頃なクルマを探すキーワードは「下取車」

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

中古車にかかる経費は大小さまざまだが、最も大きなものが車両を仕入れるためにかかる費用だ。ほかにも仕入れた車両の商品化に必要なクリーニングや点検整備、店舗運営にかかる費用や人件費などもあり、車両を販売する場合は、それらの費用に利益を乗せて、相場にあった金額で店頭に並べることになる。

そして、中古車販売店は、専門業者だけが利用できる「業者オークション」と呼ばれる場所でクルマを仕入れるのが一般的だ。この業者オークションで中古車を仕入れると、落札金額のほかに消費税はもちろんのこと、手数料やオークション会場から店舗までの運搬費など細々とした費用も発生してしまう。車両本体価格のほか、さまざまな費用が上乗せされるのだ。

つまり、これらの費用を極限まで圧縮することができれば、販売価格も下げることができるのだが、それを現実する方法のひとつが“下取車”である。

お得感の高い下取車とは?

下取りとは、クルマを購入する際に、現在乗っているクルマを購入した店舗に買い取ってもらうサービス
下取りとは、クルマを購入する際に、現在乗っているクルマを購入した店舗に買い取ってもらうサービス(写真:Luce / PIXTA)

下取車とは、クルマを購入する際に、カーディーラーや中古車販売店に現在乗っているクルマを買い取ってもらうシステムのことだ。ユーザーから直接クルマを買い取る下取車であれば、業者オークションに関わる費用は一切かからないし、そのユーザーが既存客であれば、車両の状態もある程度把握できているため、商品化にかかる費用なども逆算できる。そうなれば、そこに一般的な利益をプラスしても、ほかの販売店の同等の車両よりも安い価格で店頭に並べることができるというワケだ。

東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

もちろん、中古車業者の中には、安く仕入れた下取車に対して、通常よりも利益を上乗せして、一般的な相場に近い販売価格まで引き上げてしまう業者がいる可能性もある。ただし、中古車業は、店頭在庫を抱えるより、在庫を回転させてナンボということもある。他店よりも安い金額で店頭に並べることができれば目玉商品になり、回転率を上げるという副産物的な効果も生まれるため、ほとんどの店舗が魅力的な価格で店頭に並べるという選択をするだろう。

このように、稀に登場する相場よりも安い中古車の多くは、店頭に並ぶまでのコストをカットした結果であることがほとんどで、ユーザーが危惧しがちな悪質店とは一線を画すものと言える。もし、どうしても気になるのであれば、安い理由を店舗に聞いてみて怪しいと感じたら購入を避ければいいだけなのだ。実際に店頭で安い理由を確認すると、下取車であったり、業者オークションを介さずに直接買い取りした車両だったりすることが多いのだ!

小鮒 康一 フリー(ライ)ター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

こぶな こういち / Kouichi Kobuna

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とするが、実は現行車へのチェックも欠かさない。また、中古車販売店に勤務していた経験も活かし、中古車系の媒体でも活動中。できればどこへでもクルマで行きたいタイプで、電車移動は苦手な部類。通称「フナタン」。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事