五感を刺激!「三鷹天命反転住宅」のスゴい内部 球体の部屋や砂浜の様な床。気になる間取りも

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この家の名は「三鷹天命反転住宅 In Memory of Helen Keller(イン メモリー オブ ヘレン・ケラー)」。

「天命反転」とは、不可能だったことが可能になるかもしれない、天命を反転させることができるという考えだ。まさに天命反転を実践し、視力と聴力を失っても、人間の無限の可能性を切り開いたヘレン・ケラーを制作上のモデルにしている。

手がけたのは、ニューヨークを拠点に活動した芸術家の荒川修作さん(1936~2010年)と、荒川さんの公私にわたるパートナーで詩人のマドリン・ギンズさん(1941~2014年)。2005年に竣工し、荒川修作+マドリン・ギンズ東京事務所(株式会社コーデノロジスト)が管理・運営をしている。今回は支配人の松田剛佳さんを訪ねて、部屋を案内してもらった。

ユニークな部屋の間取り

三鷹天命反転住宅は A棟、 B棟、C棟の3つに分かれ、それぞれ3階建てだ。賃貸住宅のほか、見学会や民泊としても活用されている。今回、見学したのは3LDKの「気配コーディネーティングの部屋」である。

部屋に足を踏み入れてまず目に入るのが、部屋の真ん中にあるダイニングキッチンだ。

 三鷹天命反転住宅
部屋の内部。キッチンの調理スペースはほかより数段下がっている(写真:筆者撮影)

キッチンがある部屋を囲むように、四角い部屋や球体の部屋、まるい筒状の部屋が配置されている。大きさの異なる窓があちこちにあり、雨が降って暗い日も室内に光が差し込む。

 三鷹天命反転住宅
三鷹天命反転住宅の平面図。約60平方メートルの3LDKタイプと、約52平方メートルの2LDKタイプがある(図:荒川修作+マドリン・ギンズ東京事務所提供)
三鷹天命反転住宅
三鷹天命反転住宅を北側から見た立面図。丸や四角のユニットの配置を把握できる(図:荒川修作+マドリン・ギンズ東京事務所提供)

部屋を見渡しながら驚いたのは、”家の常識“とされるものがないことだ。

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