何より深刻なのは、「夫年上婚」の減少のほうで、1970年対比で48.5万組減の78%減であることです。初婚全体の減少の9割がこの「夫年上婚」の減少によるものだとわかります。つまり、この50年間の日本の初婚数が減った原因はそのほとんどが「夫年上婚」の減少によるものと言えます。
なぜ、夫年上婚だけがこれほどの激減をしたのか、については以前こちらの記事に書いた通り、お見合いと職場結婚という社会的な結婚のお膳立てシステムが崩壊したからです(参照→100年前の日本人が「全員結婚」できた理由)。
割合だけを見て「同い年婚が増えている。年齢の同類婚が増えている」などと判断するのは短絡的で、むしろ2010年以降は、どの形態も割合の変化はほぼありません。つまり、「年齢の同類婚が増えている」とは決して言えないわけです。
高卒同士の同類婚が壊滅的に減少
次に、学歴の同類婚について見てみましょう。
出生動向基本調査より、夫婦の結婚時期別(1985~2019年)にそれぞれの学歴組み合わせを「高卒同士」「高卒以上大学未満同士」「大卒(大学院卒含む)同士」という学歴同類婚と、「夫が学歴上方婚」「妻が学歴上方婚」の5つに分類したものです。各期間の初婚数と掛け合わせて、それぞれの実数を計算しました。
これで見ると、学歴同類婚とはいえ、高卒同士の同類婚は大きく8割以上も減少しているのに対し、大卒同士(大学院卒含む)の同類婚は6倍に増え、学歴別では唯一増えている組み合わせとなりました。かつて一番多かった高卒同士の同類婚が壊滅的に減少している点が深刻です。
これは、女性の大学進学率の増加とも関係するものですが、とはいえ、妻が夫の学歴より上の形態はそれほど増えていません。これは大卒以上の妻は少なくとも大卒以上の夫を選ぶようになってきていることを示唆します。
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